何をされても、何をさせても反応なし… 「無感動無表情」
「無感動無表情」 とは、無口・寡黙 で感情がないか極めて乏しく、表情一つ変えないタイプの キャラ のうち、とくにその傾向が顕著なキャラ、あるいは 成人向・エロ な作品において、攻め側 のキャラから何をされても、何を命令されても、無抵抗 で受け入れるキャラや シチュエーション を指す言葉です。
一般にこうしたキャラは無口キャラ・寡黙キャラといった 属性 でくくられますし、ちょっと ニュアンス は異なるものの、似た属性である 無気力・クール とも共通する部分があります。 しかしことさらに無感動無表情と呼ぶ場合は、単なる個性や性格の レベル ではなく、一般人 ならまず誰でも持っているであろう当たり前の感受性が皆無で、まるで無機質な能面や人形のように 病的 なほど無感情な状態を指すことが多いでしょう。 驚きや怒りや嫌悪、羞恥、痛みといった感情の揺れや生体反応が発生して当然のケースでこれが描かれると、独特の非日常性や強い違和感、あるいは加虐や被虐の感情を覚える人も多いようです。
一般に 18禁 の作品における性行為描写は、極端な感情表現や肉体的な快楽表現がされがちです。 しかし無抵抗や無感動無表情を描いた作品の場合は、抵抗感も心理的葛藤も快楽もなくひたすら無表情なので、カタルシスを覚えるような盛り上がるポイントがありません (意図的に排除する)。
その結果、ひたすら相手を性的欲求を吐き出し続けるだけの道具やおもちゃにすることへの加虐的な喜び、あるいは感情を失った相手への性行為にむなしさを覚えたり、性行為を通じて感情を呼び覚ましたいという身勝手な欲望とか、さらには逆に自分がその扱いを受ける被虐的な喜びを覚えるものとなります。 分からない人には良さがまったく分からないようですが、刺さる 人にはぶっ刺さる、かなりエッヂの利いた性的嗜好と云えるでしょう。
なお類似のものに、か弱い無力な存在を踏みにじるような加虐対象として、幼児とか身体障碍者 (欠損)、縄でぐるぐる巻きにするような拘束・緊縛もありますが、一部の共通点を除けばさほど近い属性でもありません。 それはあくまで肉体的な弱さであって、精神面の弱さや強さとはほとんど関係がないからです。
どんな性行為も黙って受け入れてくれる存在
元々無口・寡黙なキャラがこうした描写に用いられやすい属性ではあるものの、そうでない場合もあります。 その場合は、精神的ショックによる自我の喪失だったり、他人や性行為自体に何の興味も関心もなく、「そんなにしたいのなら勝手にやれば?」 という投げやり、あるいは相手を人間扱いしていないからこその 無視 がベースとなっています。
具体的な描写としては、携帯やスマホを見ながら表情ひとつ変えずに挿入を受け入れるとか、相手のことなど上の空で、むしろ不機嫌気味の ジト目 で 手コキ をし続けるなどです。 無口・寡黙かつツンツンとしたサド気質の女性キャラが選ばれることも多く、挿入したり手コキをされる側の男性は、異性として見られず、従って性行為も人間同士の性行為とはみなされていないという卑屈な感情を抱くようなマゾ的な内容となります。 この場合、完全に拒絶されるのは嫌であり、「軽蔑されながら受け入れられたい」「バカにされ無視されながら愛されたい」 という、かなり屈折したものとなりがちです。
なお作品によっては、最初は無感動無表情を決め込んでいたキャラがだんだんと快楽に溺れてきたり、挿入の瞬間に眉毛をわずかに動かすなど、何らかの些細なリアクションを返して余韻を与えるような描写がされることもあります。