シビアな物語ほどほっとする瞬間… 「日常回」
「日常回」 あるいは 「日常パート」 とは、マンガ や アニメ の物語において、続きもののメインストーリーの本筋からやや離れ、キャラ の他愛のないささいな出来事や日常生活のあれこれを、おおむね ゆるく明るく描写する短いエピソード回のことです。 原則的にはそれでストーリーが大きく動くことはなく、ある種の息抜き・箸休め・無駄話のようなものとなります。
メインストーリー線上に乗せづらい脱線ネタやサブエピソードを盛り込む 枠 としても機能し、主人公 と ヒロイン のちょっとだけ微笑ましい 絡み を設けたり、普段はあまり出てこないギャグ要素が入ったり、脇役 キャラの人物像を掘り下げたりします。 ほとんど日常回にしかでてこないキャラ (例えば家族とか 地味 でほとんど モブ のようなクラスメイトとか) は、日常回要員と呼びこともあります。
本来のストーリーが過酷なものだったりシビアなものだったりすると、明るくわかりやすい日常回は新鮮な感じがしますし、キャラの意外な面が垣間見えたりして、時として作中屈指の人気エピソードになったりもします。 また日ごろお色気要素が入れづらい作品にそれを加えやすい枠でもあり、ある種の サービスカット が挿入され、サービス回のような性格を帯びることもあります。
リラックスした作者の、何気ない思いが見えたり
日常回は、本筋のストーリーがひと段落ついた後、次の大きなストーリーまでの区切りやつなぎとして使われることもあり、作品に緩急のリズムをつける役割もあります。 また主要キャラの何気ない生活を入れることで、親しみやすさや人間味を出すこともできます。 より メタ な部分では、作者 の側も創作の区切りとなりリラックスして描けるためか、作品やキャラに対する思いが無意識に出ることもあったりして、ファン から好まれることも多いかもしれません。 もっとも本筋と無関係だとして、無駄だと考える人もいますけれど。
なお日常回で描かれるようなゆるい話ばかりで構成された作品を、作品ジャンル として日常系などと呼ぶこともあります。