生存を暗示する予兆… 「生存フラグ」
「生存フラグ」 とは、アニメ や マンガ、ゲーム やドラマ、映画などの物語で、登場人物の生存、生き残りを連想させる予兆、シグナルのことです。 一般的に対義語は 死亡フラグ となりますが、使いどころはちょっと違います。
敵が余裕ぶって死を確認しないと、ヒーローは必ず生存
「生存フラグ」 でよく使われるケースでは、例えば ヒーロー ものの特撮作品などで、敵が直接攻撃してとどめを刺さず、時限爆弾などをヒーローにくくりつけて、「お前の命もあと3分間だけだ…ふふふ、さらばだ」 なんて去っていくパターンがあります。 あるいは爆発や落下にヒーローが巻き込まれた時、その死を確認せず、「ふふふ…あの爆発じゃ、命はあるまい」「この高さからでは助かるまい」 なんて敵が余裕を見せるパターンもあります。
こういうパターンの後は、100%の確率でヒーローは生きていて、敵は 「げえっ! 生きていたのか」 と驚くことになります。 この場合の 「生存フラグ」 は、「死亡フラグ」 と表裏一体ですから、逆に云えばこの敵は、その後ほぼ必ず死ぬことになります。
あいつは死んじゃ〜いない!死ぬようなタマかよ!
敵味方がある場合、敵が 「死亡フラグ」 を示すと、相手方には基本的に 「生存フラグ」 が立つといって良いでしょう。 まれに、「命をかけて巨悪を倒す」 といった、道連れ・特攻的な作品で、死亡フラグの立った敵と共に相手が果てるケースもありますが、この場合も敵を倒すことでその野望を防ぐ事には成功しているので、広義の生存フラグ (ヒーローが自分の命を賭けて守ろうとした他の人たちはみんな助かる) といえそうです。
これとは別に、物語の最後に 「死ぬ瞬間」 が微妙にぼかされている、象徴的に描写されるだけみたいなケースなどもあります。 ヒーローものの特撮やアニメでは、最終回に 主人公 のヒーローが壮絶な戦死を遂げることがよくありますが、死ぬ瞬間、息絶える瞬間が描写されず、敵基地と共に自爆して消えるとか、そのヒーローが身に着けていた アイテム が落ちているなど、象徴的なシーンのみで描写されるなどがあります。
この場合も、後々 「続編」 などで、華麗に復活する可能性が極めて高いと云えます (そのまま死んでしまう場合もあります…ここらは視聴率とスポンサー次第でしょうか…って、夢も ロマン もありませんがw)。
死亡フラグと生存フラグの効果判定
フラグ (Flag) とは、アニメやマンガ、ゲームなどでその先のストーリー展開やゲーム内の状況が大きく変わる節目、分岐点になる 「目印」 のようなものを示しますが、基本的には時系列でどんどん前のフラグ効果が上書きされ消される性質を持っています。 例えば死亡フラグが3回くらい続いても、明確な生存フラグがその後に現れると、前の死亡フラグを無効化し、その キャラクター なりは原則的に死ぬことはなくなります。 その後に死亡フラグで上書きされたら死亡です。
ただし例外や、作者 のフラグ無視 (演出として意図的なもの、あるいは単なる作者の間違い) などもあり、予断を許さないパターンもあります。 人間と云うのは不思議なもので、物語の先行きが簡単に分かる展開だと退屈する一方、どうなるか全く分からない展開だと逆に不安にもなります。
フラグは 「この先この物語、登場人物がどうなるか」 を予想するためのものですが、作り手と受け手の 騙し あい、お約束の展開 を喜ぶ ファン に安心感を与えたり、逆に裏切って意表をついたり、腹の探りあいが作品に緊張感を生み面白い作品にするキモなんでしょうね。