「中二病」 を嫌うあまり反中二的行動を… 「裏中二病」
「裏中二病」 とは、思春期の中学生くらいの人間が罹るある種の病である 中二病 に対して反発したり嫌悪を覚えること、あるいはそれが高じて 「中二病」 で定義されるような思考や行動を徹底して避け、それに価値を覚えるような考え、人たちを表わす言葉です。
「中二病」 とは、中学2年生 (14歳前後の思春期) の頃に、つい背伸びしてやってしまう 痛い 行動や考え方、または年齢を重ねているにもかかわらず、そういうことをいつまでもやってしまう人が罹っている 「病気」 のことで、「中学2年生の頃 (の男子) にありがちなこと」 のような内容となります。
具体的には、「邦楽を幼稚なものと考え洋楽にハマる」「アニメ や特撮を子供っぽいものだと感じて避ける」「美味しいと感じられないのに、無理してブラックコーヒーやタバコ、酒など、大人の嗜好品を口にする」「親や兄弟、親戚などに嫌悪感を覚える」「妙にワルぶったり、大人や社会を斜に構えて見る」 などですが、「裏中二病」 の場合は、こうした行動を 「友人などの他人の目や、異性の目を気にしすぎていてカッコ悪い」「他者に影響を受けて、それまでの自分の価値観を簡単に捨ててしまう考え方がむしろ幼稚に見える」 となります。
オタク的な価値観と親和性の高い 「裏中二病」
裏中二病のわかりやすい例としては、「親が しまむら で買ってきた子供っぽい服をいつまでも平気で着る俺って、他人の目を気にしてないからカッコイイ」 なんてのがありますが、「身なりに一切気を使わない」「友人や同世代の他人や異性がどう感じるか一切気にしない」 という考えを正当化する考えでもあり、またアニメや特撮、ゲーム など、一般に子供っぽいとされる娯楽を続ける考えを正当化する考えでもあるので、しばしば おたく な人との親和性が高いのではとも論じられます。
「中二病」 に対する嫌悪感と、いつまでも今のままが良いとする考え方
とはいえ、ブラックコーヒーやお酒を飲むとか洋楽を聞き出すなどの行動は、ある程度の年齢になったら 「中二病」 ではなくごく普通のこととなり、多くの人が通過するものです。 またやたらと外見を気にしたり、異性の目を気にしたり、親や先生からの評価より、友人関係や異性との出会いや関係を大切にするケースも思春期ではよくあります。 「裏中二病」 の人は、これら 「中二病」 的な傾向を嫌うあまり、それらをずっと避け続け、逆行・反動 するような行動にこそ価値を見出しこだわってしまうような状態となります。
また嫌悪感というより、そうした考えや行動に踏み切る勇気がなく (他人から中二病っぽい行動をしていると悟られたり指摘されるのを恐れる気持ちも含む)、ついそれまでの 「子供っぽい行動」 をことさらにとり続ける考えもつ 設定 を、「裏中ニ病設定」 などと呼ぶ場合もあります。
例えば親や教師に褒められようと模範的な子供としての努力をするのは普通の子供ですが、中二病はこれを嫌いワルぶって反発、さらに裏中ニ病はその中二病に反発して 「良い子になる」 みたいな感じでしょうか。 結果的には 一周回って 同じ場所にいるような感じですが、そこに至るプロセスが全く違うので、これはこれでかなり複雑です。
中ニ病がしばしば 「他人の目」(親や先生ではなく、友人や異性の目) を意識するので、逆に 「他人の目を気にしない自分」「親や先生などの評価」 に強い価値観を覚えたり、その評価に酔ったりします。 「良い子で何が悪い」 という訳です。
ただしこれはこれで逆の意味で他者の目を強く意識していることでもあるので、こじらせると、さらなる深みにはまり込む場合もあります。 代表的なのは、表面上は良い子なのに内面にはドロドロとしたどす黒い考えが充満し、自分自身でも持てあまして苦しんでしまう 真面目系クズ などがあります。