立てたり張ったり伸ばしたり回したり 「アンテナ」
「アンテナ」(antenna)とは、一般的には 電波 を送信したり受信するための電気的な装置のことです。 無線通信やテレビ放送、携帯電話など幅広い分野で使用され、金属製の棒状のものやそれを組み合わせたもの、金属線 (ワイヤ) を張ったもの、お皿の形をしたもの (パラボラアンテナ) などがあります。 アンテナは電波の周波数や特性に応じて形状やサイズが異なり、効率的な送受信が行えるよう工夫がされます。
テレビや衛星放送のアンテナなどは、腕に覚えのある人なら自分で設置したりもしますが (設置中に屋根から落ちたり、設置後も台風などが来ると危ないので 素人 工事はやめましょう)、一般的にはあまり意識するものではなく、ラジオ (ポータブルラジオ) やラジカセ、初期の携帯電話などで、ロッドアンテナ (伸縮する棒状のアンテナ) を使うと云った程度でしょう。 一方 おたく の場合、海外ラジオ放送を聴く BCL という 趣味 やアマチュア無線 (アマ無線/ ハム) などで、やれ逆L字型アンテナだのマスプロ電工のウエーブハンターアンテナ (八木アンテナとか) だのを、少ないお小遣いをやりくりして手に入れて使っていた人も多かったかもしれません w 近所に自立型のタワーとか建ってると憧れたものです。
BCL やアマ無線までいかずとも、自分が住む地域以外の ローカル 中波ラジオ局受信用にアンテナの自作をする人は多かったでしょう。 アンテナのサイズというか長さは受信する周波数によって最適な値が変わりますし、少しでも高く、また自分のいる場所から送信元の方向を狙える指向性の強いアンテナが有利です。 そのため、自分が狙うラジオ局の周波数に特化したアンテナ (長さと巻きを調整した蜘蛛の巣アンテナとか) は、筆者 を含め周りでは結構自作している人が多かったですね。 放送が始まるちょっと前から、方向をあれこれ調整したりとか。
ちなみになぜ地方のラジオ局など聴く必要があるのかと云えば、全国放送ではない声優さんやローカルアイドルのラジオ番組などがあったからです。 ローカル局は電波出力も弱くて (東京や大阪のキー局が 100kW とか 50kW なのに対して 5kW とか)、昼間は原則的に聴取はほぼ無理、夜は電波の伝播状況が変わり結構聴けたりもしましたが (電離層のD層とE層の性質による)、近い周波数に強力な局がいると混信したりかき消されたりして、何度トラック野郎の違法無線とモスクワや平壌の放送に泣かされたか知れません (ちなみにソ連 (ロシア) や北朝鮮といった国は日本に近い上にいくつもの周波数を使い、さらに出力も 1,000kW とか桁外れでした)。
アンテナの長さが稼げなかったり狙う周波数が複数ある場合は、アンテナカプラという機器を使ってその都度最適化をしたりもしました。 これも自作する人が多かったですが、BCL ブームの頃は大手メーカーから販売されたり、パーツを集めた組み立てキットなんかが雑誌の通販で販売されたり、秋葉原 あたりに出回っていました。 その後ローカルラジオは ネット やアプリでどこからでも簡単に聴けるようになりましたが…。 この他、ラジコンなんかでもアンテナはあれこれ工夫する余地がありましたね。 なお受信用はともかく、送信用のアンテナは勝手に作って運用したり既存のそれを改造するなどは、違法性がある場合もあります。
電波をキャッチするという意味から転じて、人の情報感度や情報収集力をアンテナに喩える使い方もあります。 例えば新しい情報に疎く鈍感な人に対し、「あなたのアンテナ低いですね」 といった使い方ですね。
「父さん、妖気です!」 鬼太郎の妖怪アンテナ
一方、人の 髪型 のひとつとしてアンテナが使われることもあります。 代表的なのは、頭部から1本のアンテナ状の 髪の毛 の房が突き出している状態で、「ゲゲゲの鬼太郎」 のそれから 「妖怪アンテナ」 と呼んだりします。
また主に女の子の髪型で、アクセントとして頭から同じように髪の毛の細い束が飛び出ている状態をアンテナと呼ぶこともあります。 これは アホ毛 と呼ぶことの方が多いでしょう。 1本ではなく2本の場合は 触角 と呼ぶこともあります。
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