あまりに汎用性の高い 「(汗)」「(冷汗)」 は今日も大活躍
「(汗)」 とは、「冷や汗をかいています」 といった意味の言葉です。
派生語として、そのものズバリの 「(冷汗)」 や、滝のような汗をかいていますとの意味となる 「(滝汗)」、顔文字 などと合体し、ひたすら汗をかいていますの意味となる 「(;^_^A アセアセ」 といった表現などもあります。 主に ネット を使ったテキストベースの意思疎通の際に使われ、文章の最後につけて意味付け、ニュアンス 付けにしたり、状況説明をしてアクセントに利用する、ある種の ネットスラング として認識されています。
冷や汗は、マンガ や アニメ の感情表現の際にも多用されていますが、「(汗)」 にも状況や シチュエーション、文脈によって様々な意味に当てはめて使うことが可能です。 主な意味は、例えば 「焦っている」「困っている」「迷惑している」「心配した」「驚愕した」「怖い」「緊張する」「恐縮する」 などですが、前後の文脈や状況によってそれ以外の意味やニュアンスを容易に持たせることができ、ある程度文化的な背景や感性を 共有 している相手とならば、何十倍の文字数でやっと伝わるような複雑な感情をそこそこの精度で表現することができます。
一度使って馴染むと、その便利さからつい使いすぎる傾向もあります。 とくに 「困っている」「迷惑だ」 さらには 「怒りを感じている」 などを、あまり刺々しい形でなく表現を和らげながら直接本人に伝えられるのは、この言葉の大きなメリットの一つでしょう。 「あまり感情を露わにしない日本人にマッチした表現方法」 だとする意見もあります。
「(汗)」 やその派生バージョンの言葉は、冷や汗をかいた状態の顔文字などと共に汎用性が非常に高いもので、個人間のメールはもとより、掲示板 や チャット といった不特定多数を対象としたコミュニケーションの場も含め、同じように汎用性の高さから多用される 「(笑)」 や 「(爆)」 とともに、とても良く見かけるものでしょう。
感情や意見を露わにしない人が多い日本人にマッチ?した 「(汗)」
ネットで広く使われ始めたのは パソコン通信 (パソ通) の時代からです。 雑誌や書籍類のインタビュー記事や会話のシーンなどでしばしば使われている 「(笑)」→「笑い声がしています、笑っています」 という状況説明的な使い方から派生していると考えられ、インターネット の時代になっても広く使われますが、顔文字や絵文字で表現するパターンも増え、徐々に頻度は減っているかもしれません。
同人 の世界でも 同人誌 の フリートーク などで会話のニュアンス付けに良く使われます。 「ゲーム してたら 締め切り 過ぎてた(汗)」 などの使い方です。 初期のネットに おたく な人が多かったこともあり、他の () つき文字と合わせ、おたく用語 のような扱いをされるケースもありました。 パソ通を行うおたくが コミケ などで集まると声に出して喋ることもあり、普通に 「かっこあせ」 とか 「あせ」 などと当時の 筆者 の周りでは表現していました。
こうした () つきの言葉は他にもたくさんあり、代表的なものだけでも (泣)・(涙)・(悲)・(喜)・(怒) などがあります。 単に 「()」(かっこ) だけになったものや、他の言葉と一体化して流行語になったような言葉 (例えば スイーツ(笑) など) もあります。