悲しすぎて悲しすぎて何も云えない… 「(悲)」
「(悲)」 とは、文章の末尾につけて、そのまんまですが 「悲しい」「不運 だ」「不幸 だ」 といった感情をあらわす言葉です。 第三者に向かって自分の置かれた状況を嘆く使い方もありますが、当事者である相手に向かって使う場合は、その相手を責める ニュアンス もあります。 「貴方のせいで辛い、悲しいです」 といったニュアンスです。 アレンジで文字数を増やす場合もあります。 「(悲悲悲悲)」 や 「(悲)(悲)(悲)(悲)」 です。 この場合は文字数が多いほどより悲しいとの意味となります。
こうしたカッコつきの文字は、雑誌のインタビュー記事などで、喋った内容以外の状況説明 (笑ったとか声を上げたなど) を伝える際に昔からよく行われる文章表現です。 それがそのまま 掲示板 や メール、チャット などなど、テキストベースで行われる様々な ネット のやり取りで使われたり、同人誌 の フリートーク といった読み物系の コンテンツ などでも使われるようになりました。
ちなみにこうした ネットスラング を口に出して喋るのは 寒いというか 痛い ものですが、似たような形の言葉である 「(笑)」 は、「かっこわらい」 などと発音するのに対し、「(悲)」 は 「かっこかなしい」 だけでなく 「かっこひ」 と言い表す人がたまにいたりします。
ネットで知り合った人同士で集まることを オフ会 などと呼びますが、昔はこういう人がわりといました… (と同時に、「(笑)」 は、雑誌などでも 「(笑い)」 と書かれるケースもあったりしますが、「(悲)」 はそうしたことがあまりなく、いかにもネット生まれのカッコつき文字列の派生語という感じがします。 どうでもいい話ですが。
類語を使いこなして悲しさアピール?
「(悲)」 と同じようなニュアンスで使われる言葉としては、他にも 「(泣)」「(涙)」 といったコミュニケーション用の符号があります。 これらには字義通りの 「泣いた」 という ネガティブ な意味以外にも、「うれし泣き」「感動」 といった ポジティブ な意味で使われることがありますが、「(悲)」 に関しては、あまりそういった明るいニュアンスでの使い方はされないようです。
ただし何らかの アンチ が、敵対する ファン に向かって 煽り・冷やかしの意図を持ち、ことさらに 「(悲)」 を使う場合もあります。 この辺りの使い方は 「悲報」 と同じです。
なおこうした () つきの言葉はそれこそ無数にあり、代表的なものだけでも他に、(爆)・(喜)・(汗)・(冷汗)・(怒) などがあります。 中には普及しすぎて 「()」(かっこ) だけになったものや、他の言葉と一体化して流行語になったような言葉 (例えば スイーツ(笑) など) もあります。
ちなみに2018年頃から流行った悲しみや辛さを表現する言葉 「ぴえん」 という云い方もあります。 こちらは若者の間で SNS やメッセージアプリなどを使ったコミュニケーションの場でよく使われます。