TRPGやネトゲにおける絶対者…「GM」
「GM」(ゲームマスター/ Game Master) とは、テーブルトークRPG (TRPG) などの ゲーム において、参加者がゲームを楽しむための下準備をしたり、プレイ中のプレイヤーの行動の判定 (行為判定)、プレイ進行の仕切りなど、ゲームを円滑にすすめるための中心的役割を果たす人のことです。
当初は TRPG でそうした役割をする人を指して使っていましたが、後には ネットワークゲーム (ネトゲ) の 運営 を行う人や、商業 ゲームであれば運営会社の人間が操作する キャラクター や運営の 中の人 そのものを指して使う場合もあります。
通常は1ゲームにつき1人がGMとなり、複数のプレイヤーが自分の持ちキャラ (プレイヤーキャラ (PC) を持ち寄りそこで遊ぶといった形になりますが、プレイヤーの数が多くなった場合、メインとサブを置く場合もあります。 またゲームタイトルによって、名称が変わる場合もあります (例えば 「ダンジョンズ&ドラゴンズ」 のダンジョンマスター (DM) や、「真・女神転生 RPG」 におけるデビルマスター (DM)、その他 レフリーなど)。
なおGMがゲームを運用・進行すること、そうした手法全般は、マスタリングなどと呼びます。
司会進行役でありレフリーでありプレイヤーでもあるGM
GMは、あらかじめ定められたゲームのルールに則り、物語やギミック (シナリオ)、舞台 (ダンジョンや街、あるいはそれらのマップ) などを用意し、ゲーム進行中はプレイヤー以外の登場キャラ (ノンプレイヤーキャラクター (NPC) や モブ、モンスター など) を操作するなどして、ゲーム全体を仕切ります。
ゲームの面白さ、プレイのクオリティに対してGMが果たす役割は大きく、一方で事前準備や場を盛り上げる努力が必要など面倒なことも多いので、「GMとして力のある人」 が仲間にいるかどうかで、TRPG 人生の質がかなり左右されるような場合もあります。 通常は TRPG 仲間で持ち回りとなりますが (面倒なのでやりたがらない人も多い)、前述した 「力のある人」「ゲームを盛り上げることができる人」 にGM役が多くなる傾向はありますね。
なお TRPG で戦闘や冒険をすると 経験値 が得られますが、GMにも特別な経験値 (経験点) が与えられます。 そうして得た経験値は、自分の持ちキャラに割り振って レベルアップ などに使うことができます (ルールによって扱いは様々です)。
GMの裁定は絶対、その絶対はどこまで絶対?
ところでこういった役割なので、スポーツにおける審判やレフリーと同様、GMの裁定は 「絶対」 なのですが、その絶対さをどこまで許すかは、ゲームの内容やゲーム仲間との認識で結構変わります。
ゲームのルールを記した書籍を ルールブック といいますが、ルールにないイレギュラーな出来事にGMの臨機応変な裁量が必要なのは当然として、既存のルールをプレイ中に大きく変えることが、果たしてGMに許されるかどうかいう点ですね。
ゲームはルールがあってはじめて成立し、その制限によって面白くもつまらなくもなるものですが、せっかく楽しく長時間プレイして盛り上がっているのに、そのままルールに従うといきなりパーティーが全滅してゲームが終了するとか、特定プレイヤーだけが何度も フルボッコ になるようなシチュエーションに至った時にどうするか…というのは、結構切実な問題です (そういう状態にならないように先を見てちゃんと誘導しろという話もありますが)。
また 新規 参加したばかりのゲームに不慣れな (あるいはまだ面白さがわからない) プレイヤーが仲間にいた場合、杓子定規にルールを押し付けず、彼が楽しんで末永く一緒にゲームを続けてくれるよう、それとなくひいきして盛り上げる演出も必要でしょう。
その時に参加していないゲーム仲間や、よそで同じゲームをプレイしている人たちとの公平性が保たれないとして、GMの過剰なルール干渉を嫌う人も少なくありませんが、ゲームは楽しんでこそのゲームですし、特定プレイヤーへの度が過ぎた優遇や、一貫性のない行き当たりばったり・無知不勉強から来る俺ルールの強要、度々のルール無視は良くないとしても、最終的には仲間と一緒に遊んでいて楽しいのが一番でしょう。
このあたりは、ゲームの外で仲間とすりあわせをしておくのが大切なのでしょう。