TRPGをやるからには、これがなくては始まらない…「ルールブック」
「ルールブック」(Rulebook) とは、スポーツ競技や ゲーム などの遊戯、その他、参加者相互が守るべきルール (規則、決まりごと) のある世界で、それらを文章としてまとめた書籍を指す言葉です。
一方、おたく の世界で主にいうルールブックとしては、通常、テーブルトークRPG (TRPG) で使うためのルールブックを指すといってよく、一人、もしくは複数人で TRPG を遊ぶための決まりごとやルールが記載された書籍類 (書籍、もしくは書籍型ホビー) をあらわします。 略して 「ルルブ」 とも呼びます。
代表的な日本のルールブック 「ソード・ワールドRPG」 (SWRPG/ グループ SNE/ 富士見書房/ 1989年) |
様々な TRPG タイトルごとにルールブックが出版され、また同じゲームであっても初心者向けと中級者・上級者向けのルールブックが分けて出版されていたり、ルール以外の要素 (作品により没頭するための 世界観 の説明など) が入っている場合もあります。
またすでにルールブックを持って遊んでいる人たちのために、追加要素 (シナリオやマップ) を加えるためのルールブック (サプリメント) などが別途に出版される場合もあります。
なお既存のゲームを使わず、自分たちで手作りのルールブック、オリジナル のルールブックを創ったり、それでプレイする場合もあります。
ゲームブックはあくまでゲームの 「基礎」 という考え方
実際のルールブックの記載内容や形式はゲームによって様々です。 事細かにルールを記載しているものもあれば、決まりは最低限として自由度を高め、ルールブックに記載されていない部分での ゲームマスター (GM) の裁定基準の大まかな指針を述べただけのものなどもあります。
またルールブックの内容に関わらず、GMがゲーム進行や内容に沿って、ある程度自由に定められたルールの変更を行う場合もあります (GMによるルールの自由な改変を肯定的に述べているものもあります)。 このあたりは、ゲームの種類やプレイする人たちの好み、GMの裁定や 運営 (マスタリング) の方針や持ち味によってまちまちです。
よそで同じゲームをプレイしている人たちとの公平性が保たれないとして、GMの過剰なルール干渉を嫌う人も少なくありませんが、特定 プレイヤー へのえこ贔屓は良くないとしても、最終的には仲間と一緒に遊んでいて楽しいのが一番でしょうし、スポーツにおけるレフリーや審判員と違うのが、TRPG のルールの面白さでしょう。
似たものに 「ゲームブック」 と呼ばれるものも
ところでルールブックに非常によく似たものに、ゲームブック というものもあります。 両者は似て非なるものですが、多様な遊び方、ソロから複数人プレイまで対応、ビジュアル面の強化など、ほとんど見分けがつかないような体裁・内容となっているものもあります。
通常はこのルールブックに記載されているルールを核とし、ダイス (サイコロ) や筆記具、チャートやマット、GM用のスクリーンなどを準備して、ゲーム仲間と集ってプレイすることになります。 これら アクセサリー はゲームによって必要なものは様々で、ルールブックや販売店によっては、これらをまとめてスターターキットのような形で販売する場合もあります。
なお多人数プレイが前提のコンピュータゲームのマニュアルも、ルールブックと呼ぶ場合もあります。 この場合は、ルールブックを読まなくても 行為判定 はコンピュータプログラムが自動で行いますから、ルールブックやゲームブックではなく、あくまで 「取り扱い説明書」 なのですが、画面上で識別することができないルールなどがプログラムされている場合や、TRPG 的なムードを作るためという理由もあり、いわゆる 「攻略本」 などを含めてそう呼ぶことも稀にあります。
なお実際にプレイした様子を 実況 のような形でストーリーのある読み物に仕上げたものは、とくに リプレイ などと呼びます。 こうしたゲームプレイを核とした 二次創作 は長らく小説などの作品形態で創られることが多かったのですが、近年はニコニコ動画など動画の形で作られたり、その様子をそのまま動画で中継するような リアルタイム性 のある形式も増えてきています。