ネコミミ・ウサミミ・エトセトラ… 「獣耳」
「獣耳」 とは、動物 (通常は哺乳類) の耳 (Ear) のことです。
哺乳類と一言でいっても色々な動物がいますが、多くの場合は猫やうさぎ、犬などの、身近で可愛らしい動物の耳が対象となります。 もっとも有名なのは、ネコの ネコミミ や バニー のウサミミでしょう。
通常 「獣耳」(ケモノミミ/ ケモミミ) とわざわざ呼ばれる場合は、人間の頭部にそうした動物の耳 (もしくは耳型の カチューシャ などの アクセサリー、耳がついた帽子やかぶりもの) がついていたり載せられている場合を指し、動物を使った広義の 擬人化、もしくは人間の擬獣化の特徴のひとつとされる場合もあります。
ただし、よりコアで動物側に 萌え属性 が強く振られている ケモノ や 獣人 (及びそれらを含む 人外) の ジャンル や カテゴリ には、単に動物の耳がついているだけの キャラクター (動物の耳と人間の耳の両方がついていることから、四つ耳 とも呼びます) は除外して考える場合が多くなっています (ケモノ成分が少なすぎるため)。
こうした美少女や美少年などに動物の耳をつけたキャラや 同人 における イラスト は昔から存在しますが、1970年代から80年代にかけて数が増え、なかでも パソコン通信 の時代に ネット でも大きく盛りあがっています。
発祥は妖怪や ファンタジー 関係の作品など遡ればいくらでも遡れますが、現在のように人気となった発端としての直近のルーツ、直接的な 元ネタ は、うさぎの耳のようなアクセサリーを頭部につけるバニーガールでしょう。 ただし 「ゲゲゲの鬼太郎」 のネコ娘発祥説も根強かったりします。 ともあれこれ以降は ロリ とも親和性の高いネコミミが ロリコン のブームとともにウサミミを圧倒する形で推移。 1990年代以降2000年代にかけて、ネコミミ全盛とも呼べる状況となっています。
こうした人気の高まりとともに、ネコミミ標準 装備 のキャラ (ネコミミの 設定 があるキャラ) 以外にも、ネコミミをとりあえずつけてみるような 二次創作 も頻出。 ある種の 萌え るポイント、萌え要素 としても広まり、派生も含め 「獣耳」 が溢れかえる状態となっています。
ネコミミの下に人間の耳はついているんですかっ><
ところでネコミミの下に人間の耳はついているのでしょうか。 ネコミミは器官として役に立っているのでしょうか。 例えば猫が擬人化されたネコミミの場合、当然ながら人間の耳はあるべきところにない (ただしそのままでは不自然なので、髪の毛 などで当該部分は隠れている) のですが、時代を経るごとにネコミミと同時に人間の耳も持っている (ネコミミ状態のアクセサリーを耳につけている) ような描写が増えています。
バニーのウサミミについては最初からアクセサリーとして登場し、うさぎの擬人化ではなくあくまでバニーガールの派生の範疇での作品つくりが多かったので (バニセラなども含む)、これは両者で大きく異なるポイント (ルーツが異なる根拠) とも云えるでしょう。
聞き耳を立てる、ネコをかぶる、かわいこぶるなどの演出として
作品などによっては、通常は人間の耳のみを持っているのに、「聞き耳を立てる」「ネコをかぶる」「おとなしくなる」「かわいこぶりっこする」「コタツで丸くなる」 といったシーンのみ、比喩や演出として突然 獣耳が生えてくる…といった描き方をする場合もあります。
似た表現に、イソップ寓話 「王様の耳はロバの耳」 から派生した 「皆の話をよく聞く」「地獄耳」 といった意味で、マンガ などで突然キャラの頭にロバの耳が生えてくる描写などがありますが、これは怒ると キバ が生える、青ざめると顔に線が入るなどの、わかりやすい漫画的表現・比喩の一種に、獣耳が使われる発端にもなっているでしょう。
なおマンガや アニメ などの 二次元 の世界だけではなく、コスプレ などの世界でもネコミミを中心に獣耳はとても人気があり、様々な動物のものがコスプレ専門店などで販売されています。