それまで好きだった気持ちを成仏させる… 「供養」
「供養」 とは、おたく や 腐女子 がそれまで ハマって いた ジャンル から離れたり、熱心な ファン として 推し や 担当 に情熱や時間やお金を注ぎ込んできた活動にひと区切りつける際に、自分の気持ちや思いを精算する意味で使う言葉です。 具体的な行動としては、「最後の 萌え語り」 や 「グッズ類の処分前の整理や紹介」 などとなります。 「成仏させる」 とも云います。
例えば好きな アニメ や ゲーム にはまり込んでいたけれど、別の作品に興味関心が移りそちらに軸足を移す時、受験や就職、結婚 出産などでおたくや腐女子としての活動を大幅に縮小させざるを得ない時などに、「それまでの自分の気持ちを供養する」「成仏させる」 として過去の活動や思い出を振り返って総決算し、心機一転するみたいなイメージです。
こうした行動は、本人がそれを自覚したり、他人の同様の行為に触発されて行う場合が多いものですが、友人などが 担降り や 担移り、あるいはファン活動やゲームプレイの 引退 を考え悩んでいる時に、心身への負担軽減のために 「自分の思いを成仏させてあげようよ」「供養したらどう?」 などと、思い出話や萌え語りで気持ちにけじめをつけさせようとのアドバイスが発端となる場合もあります。
「砂かけ」 や 「反転」 するよりは供養の方が救われるかも
「成仏」「供養」 あるいは 「引退宣言」 などせずに消えるなら黙って勝手に消えろ、とは残るファンの間からよく聞く話です。 また最後の萌え語りなどで批判・苦言めいた内容が入っていると 「砂かけ だ」「反転アンチ になった」 と快く思われないケースが多いものですが、一時期は生活の全てが推しや担当へのファン活動だったという熱心なファンにとっては、そこから距離を置く判断にも、それなりの 「手続き」 や 「儀式」 が必要になることもあるという事なのでしょう。
ただし、情熱というのはある日突然、何の前触れも理由もなく消え去ることもありますから、ことさらに 「成仏」「供養」 などと考えるのは、まだ未練がたっぷりという状況でもあるのでしょう。 と同時に、複数の作品やタレントを追うファンもいるなか、そこまで思い詰めるのは真面目で一途 (と同時に思い込みが激しく自己陶酔しがち) な性格のファンならではという感じもします。
同人 で 二次創作 や ファンアート の制作などを行っていると、次の作品を楽しみにしている人もいますから、「もうこのジャンルでは創作しません」(別のジャンルに移動します、あるいはこのジャンルは 読み専 になります) との宣言が必要だと思いつめてしまう場合もあり、なかなか辛いところではあります。