同人用語の基礎知識

担降り

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「担当を降りる」 のか 「担当が降りる」 のか…「担降り」

 「担降り」(たんおり) とは、主に男性アイドルグループに在籍する特定タレントや、アニメマンガゲーム など コンテンツ に登場する キャラクターファン あるいは 推し をやめることです。 もしくはまだ好きだしファンは続けるけれど、積極的なファン活動からは引退するとの意味で使う場合もあります。

 男性アイドルに対する女性ファンの間で、ファンであることを 「担当」 と呼ぶため、「担当を降りる」(ファンヤメ) という言葉の略語となります。 「担降り語り」 と云えば、自分がそのタレントに ハマる きっかけとなった出来事や出会い、これまでのファン活動の思い出や感謝を綴り、気持ちの整理をつけるような話となります。 また好きなタレントが変わった (結果的に今まで好きだったタレントとは一定の距離を置く) 場合には、担降りの他に 「担移り」(推し変) と呼ぶ場合もあります。 例えばタレントAからBに移る場合は、A担降り、B担移り みたいな言い方になります。

 こうしたファンヤメの意味で広く使われる一方で、「担当が降りる」(担当降臨) みたいな意味で使う人もいます。 この場合は担当がコンサートやライブでステージ上に現れたことを指し、そのタレントの持ち歌やテーマソングなどを 「担降りソング」 と呼んだりもします。

 あるいはそのタレントをテレビで初めて見た時の衝撃、友人からの 腐教布教) で魅力を叩き込まれたなどで 「自分が担当すべき理想の人が現れた、ご本尊 が自分の中に降臨した、これから担当になります」 という意味で使われることもあり、前述した 「ファンやめます」 とは真逆の意味として捉えられているケースもあります。

なぜいちいち自分の担当や担降りを表明するのか

 「担降り = 担当をやめる」 の場合、別に誰が誰のファンだろうが担当だろうが好きにすればいいですし、ことさら担降りだの引退だの表明する必要があるのか、自意識過剰ではないのかとの意見もあります。 しかしこれらファン同士のコミュニティにおいては、「誰が誰の担当か」「担当としてアクティブに活動しているか」 は人間関係において重要な意味をもつこともあるため、しばしばこうした表現で自分のポジションの説明が行われることがあります。

 例えば同じグループのファン同士で集まった時、タレントAさんの話題になったらA担当に話を振ったりA担当が中心になって場をリードしたりするでしょう。 カラオケ でグループ曲を歌うならタレントAさんパートはA担当が歌うでしょうし、同人誌 を創ったり コスプレ をする場合にも、当然AさんポジションはA担当が担うでしょう。 ランダム販売のグッズでAさんグッズが出たら当然A担当行きですし、何人かで集まってファン活動をする場合には、何事も担当単位で話が進む場合が多くなります。

 とくに 同人関係 では、A担当の描いた イラスト や同人誌、萌え語り を読みたい・見たいというファンや同好の士もいますから、その人たちに向けて 「私はもうAさんの作品は描きません」 と宣言する必要が生じてしまうのですね。 この表明はかなり勇気がいることだったりしますが、俗に 大手 と呼ばれるような サークル の場合、ファンは 商業 プロ作家 レベル の万単位となりますし、SNS などにも 「次の 新刊 楽しみです」 みたいな ツイート もたくさんつきますから、いつまでも スルー できない状況もあります。

「担降り」 に至る理由は人それぞれ

 「担降り」 に至る理由は様々です。 担当していたタレントが結婚した、グループを脱退した、解散した、引退したり亡くなったり、スキャンダルが起きて熱意が薄れたといったケースもあれば、他に担当したい別のタレントができたとか、単に自分の生活が就職や結婚などで激変し、「ずっとファンではあるけれど、担当を名乗るほどのアクティブな活動は無理だ」 との理由から、そう宣言せざるを得ない場合もあります。 あるいは 同担拒否 のあれこれで人間関係に疲弊するケースもあるでしょう。

 ただし担降りを広く周囲にアピールしたり、とくにコンサートなどでタレント本人に向けて使う 「うちわ」(応援や自己アピールのために使ううちわ) に自分の担降りを書いたり (いままでありがとうなどの感謝の言葉が多い)、熱愛発覚などのスキャンダルを発端とした怒り・失望をことさら表明するアピールなどは、何もタレント本人や他のファンに向けてそれをしなくてもいいだろうとの意見もあり、何かとファン同士で軋轢が生じたり物議をかもす場合もあります。

 基本的には 「ファンをやめる」 といった発言は、どうしても ネガティブ なイメージを同じファンが受けがちです。 当然ながら 「いちいち宣言するな」「黙って消えろ」 との声もありますが、「担降りしたのにそれを知らずに担当扱いしてくれる友人らの配慮や心遣いがキツイ、後ろめたい」 といった切実なケースもありますし、本人に感謝を伝えたい気持ちにも真剣で真摯な気持ちと身勝手な自己陶酔どちらの面もあり、賛否それぞれに理由があったりします。

 筆者 は、何かを好きになる時よりも、それまで好きだった何かから離れる時の方がずっとずっと重たいものですし、それが自然消滅ならともかく、何らかのきっかけで一気に進む場合には (冷める時って自分でもどうしようもないくらい冷めますし)、気持ちの整理や踏ん切りをつける意味でも 「担降りの儀式が必要な人」 もいるんだろうなとは思います。 まあ俗に 砂かけ と呼ばれるような、ネガティブな毒を吐きまくって降りる必要まではないと思いますが。

 なお 「担降り」 や 「ファンヤメ」 ではなく、可愛さ余って憎さ百倍、ファンから一気に アンチ になってしまう場合もあります。 この場合は 「反転・反転アンチ」 などと呼びますが、反転のきっかけとなった理由によっては負の感情が振り切れんばかりに膨張し、長期にわたる病的・ 粘着質 的なアンチ活動に至るなど、手に負えない状態となる場合もあります。

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(同人用語の基礎知識/ うっ!/ 2014年11月12日)
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