こぼれ落ちてはいけないものがこぼれ落ちる…「ポロリもあるよ」
「ぽろり」(ポロリ) とは、何かがこぼれ落ちる様をあらわす擬態語のひとつです。
水の滴や涙、あるいは手に持っていたボールなどをうっかり落とすなどが代表的ですが、同じように使う 「ぽとり」 と同様、こぼれ落ちる物に人間の手が介在したり、人間に関わるもので使われるケースも多くなっています。 転じて、「本音をぽろり」 といった、物理的な実体のないものにも、「あらわになる」「露出 する」「露呈する」 といった意味で使う場合もあります。
日常会話でもごく 普通に 使われる言葉ですが、サブカル 界隈 や おたく、ネット の世界などでは、水着 のブラジャーの脇から女性の乳首が露出する、海パンから男性のあそこが飛び出すといった使い方をする場合もあります。
とくに 「ポロリもあるよ」 といった言い回しをする場合は、「乳首やちんこが露出する」 の意味で使う場合が大半でしょう (ここから転じて、落ちてはいけないものが落ちること (例えばロボットの頭とか自動車のタイヤとか) を、引っ掛けの ネタ として 「ポロリもあるよ」 といった言い回しで表現する場合もあります。
なお 18禁 の やおい・BL系 の 同人 では、男性のあそこが パンツ からうっかり出ちゃう作品…のような ニュアンス の 同人用語 のひとつとして使われる場合もあります。 一般に男性のあれが露出する場合は 「ボロン」 がよく使われますが、このあたりのニュアンスの違いは面白いですね。
「ポロリもあるよ」=「乳首」、その発端のひとつはアイドル水泳大会
こうした、「乳首がブラから露出する」 という意味でぽろりが広く使われるようになったのは、テレビにおける 「アイドル水泳大会」 のような番組の存在でしょう。 1980年代を中心にアイドルタレントの人気が盛り上がると、そうしたアイドルが水着を着てプールなどで騎馬戦や押しくら饅頭、滑り台競走などの競技を行う水泳大会番組がスペシャル 枠 でしばしば放映され人気に。 その番組中のサプライズとして、水着のブラがずれたり 巨乳 が揺れて、おっぱいの乳首が偶然映ってしまう…という放送事故を装った演出がされるようなりました。
通常こうした番組で乳首が晒されるのは、人気のあるメジャーなアイドルタレントなどではなく、そうした演出をするためだけに呼ばれたアダルトビデオやポルノ映画の若手女優なのですが (こうした人は、「ポロリ要員」「ポロリ枠」 などと呼ばれます)、番組の宣伝などでは 「ポロリもあるよ」 といったフレーズで 煽って いたことあり、すっかり定着することになったようです。 現在の 「乳首ぽろり」「恥部がぽろりする」 という言い回しの 元ネタ は、これらになります。
現在では、地上波のゴールデンタイムに乳首の露出など考えられませんが、当時はおおらかな時代だったのか、夏場のスペシャル枠には、こうした演出を持つ番組が結構放映されていましたね。