同人用語の基礎知識

スキャナー

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パソコンに絵を取り込む便利な周辺機器 「スキャナー」

 「スキャナー」(グラフィックスキャナ/ イメージスキャナ) とは、パソコンに接続して紙に描かれた写真や 、文字などを読み取り、画像データとして取り込む (電子化) ための周辺機器のひとつです。 モノクロ とカラーがありますが、パソコンが個人の 趣味 のための道具として普及した後は、おおむねカラーで読み取るものが中心でしょう。

 タイプは大きく分けて2種類あり、図案が描かれた紙や本などを読み取り面に置いて固定し読み取るフラットベッドタイプと、手で持って読み取り部を紙や本に当てて読み取るハンドタイプがあります。 1990年代中頃あたりまではフラットベッドタイプは高価な上に大きく重く、業務用のようなものしかありませんでしたので (店頭で気軽に買えるような代物ではありませんでした)、趣味の お絵描きCG・デジ絵) には安価で手軽なハンドタイプがよく使われていました。

 この他、取り込む紙や本、原稿 を下に置いて、棒状の読み取り機が上についていて読み取るもの (ドキュメントスキャナーやブックスキャナーと呼ぶことが多い) や、紙を差し込むと自動送りされて読み込む小型タイプのもの (モバイルスキャナー) もあります。 FAX やコピー機と一緒になったもの (複合機) や、読み取り面も片面の他に両面タイプのものも登場しています。 複数枚の紙を自動送りして読み取るものもあります。

 その他ちょっと特殊なものでは、フィルムスキャナーという機器もありました。 写真を撮影した銀塩フィルムを現像したネガフィルムを差し込んで読み取る専用スキャナーで、うちの サークル では UFOキャッチャーの景品や着せ替えドールの電子カタログを創るためにサークルで購入したりもしました。 この時のカタログは 「とるとる・グッズ カタログ」(1996年) や 「キャラクタードール カタログ」(1998年) として CD-ROM の形で制作し、コミケ などで 頒布 しています。

フラットベッドタイプのスキャナー

 フラットベッドスキャナーは、写真や図案を水平なガラス面に置いてスキャンするタイプのスキャナーです。 その名の通り平らなベッドの上に対象物を置き、ガラスの下にある読み取りのための機械がその下を移動しながらスキャンします。 コンビニなどにあるコピー機と同じ方式ですね。 フラットベッドタイプの主な利点は、読み取り精度の高さとスキャン対象物のサイズに柔軟に対応できる点でしょう。 A判B判 サイズの書類や写真、さらには書籍や雑誌のページをスキャンすることも可能です。

 高い 解像度 でのスキャンができるため、特に画像の細部を忠実に再現したり、繊細な線画を正確に読み取る用途に適しています。またスキャン対象を平らに固定できるため、歪みも少なく、良好なスキャン結果が得られることも大きな魅力です。 ただし1990年代中頃までは比較的安価なものでも15万円程度の価格となっており、オフィスでの使用がもっぱらだったでしょうか。 筆者 は EPSON の B4 まで読み取れるものを購入して SCSI 接続で使っていましたが、値段は高いし音は大きいしで、導入にはちょっと勇気がいる機器でした。

ハンドタイプのスキャナー

 ハンドスキャナーは持ち運びが簡単で、手で持ちながらスキャンするタイプの機器です。 大きな面積を読み取るのは大変ですが、小型で軽量な上に価格も安く、同人 をやっている人で使っている人は結構いました (うちのサークルでも何人かいました)。

 使い方はシンプルで、ユーザーが文書などのスキャンしたい位置にスキャナーを移動させ、一定の速度でなぞるように手動で移動することでスキャンができます。 ただし手動でのスキャンのためスキャン速度や精度はフラットベッドタイプに比べて劣り、安定したスキャンが難しいこともあります。 とくに大きなサイズを読み取ろうとすると何度かに分割してスキャンしパソコン上で結合する必要が生じたり、大量のスキャンでは手が疲れてしまうものでした。

スキャナーがない時代の画像取り込みは大変でした

 2000年代頃になるとフラットベッドタイプのスキャナーも安価かつ軽量コンパクトとなり、接続も USB で取り扱いも簡単になりました。 筆者は2005年頃に CANON のスキャナーに買い換えましたが価格はたった1万円程度で、しかもその前に購入したものより高性能で、進化の速度に驚きました。

 筆者は仕事柄、1980年代には自宅に FAX やコピー機なども置いていましたが (どれも高かった…)、この頃になるとパソコンの価格も安くなっており、パソコンとスキャナー、それにプリンターを揃えれば、ほとんど全てのことができるようになってちょっと感動してしまいました。 パソコンやモニタなどはピンキリではありますが、最低限お絵描きができる程度ならば、30万円もあれば全部揃う状況でしたね。 その後は複合機も安くなり、取り込みにパソコンすら必要のない機器も登場しています。

 ちなみにスキャナーが広く使われるようになる前は、パソコンに図案を取り込むのはとても大変でした。 モニターに油性マジックなどで イラスト を描いたサランラップみたいな透明のラップを貼ってマウスでなぞって描く ラップスキャン とか、マウスもない時代は方眼紙に絵を描いて座標を求めて数値で入力する 方眼紙スキャン くらいしか、方法がありませんでした。 絵を描くと云うより、線画をモニタに表示するためのプログラムを書くみたいなことになっていました。

 その後パソコンを使ったお絵描きは、線画を取り込むのではなく板タブや液タブといった ペンタブレット を使って直接図案を入力できるようになります。 PC-98 や パソ通 の時代にように、紙に描いた線画をスキャナーで取り込んでパソコンでドットを打って仕上げるみたいな方法は、過去のものになりました。 写真などは、撮影するカメラ自体がそもそもデジカメ (あるいはスマホ (スマートフォン) で、フィルムから読み取る必要もなくなりました。 どうしても紙から読み取る必要がある場合は、スマホで撮影して歪みを自動補正したり文字を自動でテキストデータにしたり、機材がなくても近所のコンビニの複合機で読み取ることもできます。 何万円も出して機材を購入する必要などなく、お手軽になったというか、時代と技術の進歩はすごいものです。

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(同人用語の基礎知識/ うっ!/ 2000年3月1日)
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