古今東西、紳士が好むものには、ろくなものはないのかも… 「紳士」
「紳士」 とは 変態 のことです。 というと訳が分かりませんが、ネット においては 「変態という名の紳士だよ」 との言い回しから転じて、すっかり変態・アブノーマル、あるいは変態プレイや変質者や性犯罪者のような ニュアンス の言葉になってしまいました。 そのまんまで 「変態紳士」 と呼ぶこともあります。
2000年代におけるこうした言い回しの直接的な 元ネタ というか言葉の成り立ちとしては、人気 マンガ 「増田こうすけ劇場 ギャグマンガ日和」 の中に登場する小学生、クマ吉の作中セリフからとなります。 この作品は様々なキャラが登場し、特定の組み合わせで作中シリーズのようなエピソード群が構成されていますが、クマ吉はその中の 「名探偵うさみちゃん」 シリーズに登場し、熊を 擬人化 したようなキャラとなります。
このシリーズでは、うさぎを擬人化したうさみちゃんがインスピレーションを働かせた名推理によって次々に難事件?を解決していきます。 とはいえ事件はクマ吉が片思い中のニャン美に対するスカートめくりや 盗撮、下着や スク水 の窃盗、露出行為 などのセクハラや性犯罪ばかりであり、インスピレーションも推理も何も、現行犯状態を見たそのまんまの行為の指摘ばかりです。 クマ吉はその後警察官に連行されて オチ がつくと云う構成になっています。
これら一連の流れの中で、うさみとクマ吉との掛け合いが生じるのですが、変態行為を疑ううさみの発言に対してクマ吉が返したセリフが 「変態じゃないよ 仮に変態だとしても 変態という名の紳士だよ」 であり、汎用性の高さからあちこちで使われるようになったのでした。
「変態」 と 「紳士」 という組み合わせはこれ以前にもあったのですが (と云うか、変態と紳士・淫乱と淑女の組み合わせは昭和の昔からわりとポピュラーでしょう)、このエピソードのインパクトがあまりに強すぎて、以降は 「紳士 = 変態」 との図式がすっかり定着することになってしまいました。
「紳士向け」 といえば、そこには底抜けの変態・アブノーマル嗜好が
こうした 「紳士」 の使いようは ネットスラング や ミーム としてポピュラーであり、動画や 同人 やその他創作系の場でも カテゴリ や ジャンル をあらわすタイトルや タグ で盛んに利用されています。 「紳士向け」 とか 「紳士動画」 と云えば、おおむねド変態な内容の エロ・18禁 な作品となっています。
また変態が行う異常な性愛行為や性犯罪は様々ですが、なかでも露出願望系は親和性が高く、とりわけ 裸ネクタイ との相性は抜群だと思われているようです。 一概には云えませんが、男性が 全裸 に ネクタイ だけを身に着けるファッションは、紳士あるいは変態の正装扱いだと思って良いでしょう。