同人用語の基礎知識

裸ネクタイ

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裸なのになぜかネクタイ 「裸ネクタイ」

 「裸ネクタイ」 とは、全裸 もしくは上半身裸の状態で、主に 学校 制服 における ネクタイ のみを首元から胸元にかけて着用している状態を指す言葉です。 全裸ネクタイと呼ぶこともあります。 もっぱら対象となるのは女性や女性 キャラ になりますが、ネクタイには女性から見た男性キャラへの フェチ要素 も非常に強いので、男性や男性キャラでも比較的よく見かけるものでしょう。 とくに一部の男性のそれは、変態紳士 特有の スタイル のひとつともなっています (後述します)。

典型的な裸ネクタイ (三瀬多賀り子)
典型的な裸ネクタイ (三瀬多賀り子

 ほとんど全裸だけれど身体の一部に 着衣 をするというのは、様々な パターン があります (裸○○)。 その中でも裸ネクタイや 裸リボン は学校を 舞台 とした マンガアニメ、あるいはエロゲーなどが多い中、もっともよく見かけるもののひとつでしょう。 とくに制服が登場するアダルトビデオ (AV) では、その割合はかなりなものです。

 発端についてはピンク映画やアダルトビデオ、エログラビア雑誌などの影響が大きいような気がしますが、そもそも実生活に密着した 裸エプロン裸ソックス はポピュラーな存在として好事家にはおなじみのものだったりもしますから、これらの派生やアレンジの線が強そうです。

 また見た目だけなら、首元に襟と蝶ネクタイなどをつけた バニーコート (バニーガール服) とも、直接的な関連性はないものの、相性が良さそうです。 昭和時代にありがちな宴会芸の線も微妙にありそうです (たぶんいくつかの理由が 時間差 で複合しているっぽいです)。 

 いずれにせよ単なる裸 (ある意味で健康的すぎてエロさが減じる) よりもより淫靡なイメージを喚起しますし、コスチュームものの 作品 としての最後の矜持みたいな部分もありますので (例えば ブレザー制服 を扱った作品で全裸にしたら制服の意味がなくなってしまう)、ネクタイだけを残すのはギリギリの最後のラインなのかも知れません。

棒ネクタイならではの形状から、疑似的な首輪や拘束具としての一面も

 使われるシチュエーションや意味付けなどは同じながら、裸リボンより裸ネクタイの方が好きだという ファン は少なくありません。 これは一つには、ネクタイと云えば真っ先に思い浮かぶ棒ネクタイ (筒状に縫われた長い棒状のネクタイ) が首に巻きつくと云う形状や姿態が、疑似的 な首輪や首紐 (リードやハーネス)、拘束具をイメージするからでしょう (類似の意図でチョーカーなどを使うこともあります)。

 例えばネクタイの先端を手で引っ張れば、犬の散歩の時に使う首輪とリードのような扱いができ、対象が女性であれ男性であれ、SM や緊縛の描写まで行わずに強い服従や強制を示すような描写が容易にできるでしょう。 対象が四つん這いになればその効果はさらに高まりますし (お散歩 プレイ)、これは リボン では実現できないたいへん大きなメリットの一つです (いわゆるソフトSM のひとつともされます)。

 単に裸にネクタイという変態じみた直接的に視覚に訴える エロ さ以上の淫靡でアンモラルな感情を呼び起こすことができる点が裸ネクタイの最大の魅力であり、様々な裸○○の中でも比較的意味付けをしっかりされたシチュエーションとして使われるのは、こうした理由があるからでしょう。 なおよりハードなものでは、「首絞め」「首吊り」「窒息」 といった 虐待鬼畜 な中でもかなり末期的な バリエーション に発展することもあります。 個人の好みとはいえ、さすがにここまでくると見ていて辛いという人も多そうです。

裸ネクタイといえば… 「こち亀」 の海パン刑事?

 裸ネクタイの話題で避けて通れないのが、人気マンガ 「こちら葛飾区亀有公園前派出所」 に登場する特殊刑事課のエリート刑事たちです。 三羽烏と呼ばれる海パン刑事・ドルフィン刑事・月光刑事&美茄子刑事を中心に数多くの変態じみた刑事がたまに出てきますが、海パン刑事はまごうことなき裸ネクタイであり (一応海水パンツは履いている)、これら特殊刑事の登場によって裸ネクタイや裸○○が市民権を得たと云うか逆に阻害されるようになったというか、位置づけが微妙な感じの影響力を発揮しています。

 筆者 も誌面で初めて特殊刑事課を見た時は、同人活動 における 自ジャンル がセーラームーンなので月光刑事&美茄子刑事に目を奪われつつも、海パン刑事に対して 「やっぱり変態はこれだよな、やっぱりそうだよな…」 と、妙な納得感を覚えたものでした。 その後これらの影響もあったのか、変態スタイルとか変態の言い換えとしての紳士スタイルでは、それまで以上に裸ネクタイが 定番 となっているようです。 そういや交通社会を革命するために警視庁からやって来た、少女革命ウテナっぽい伝嬢雨亭裸刑事もいたな…。

 このあたりの視覚的造形は、変態云々というより、昭和の時代に終身雇用制の元、濃密な人間関係の中で行われる職場の飲み会や宴会、社員旅行や慰安旅行などにおける余興や宴会芸・ゲーム に直接的なルーツがありそうです。 ネクタイは裸体にぶら下げるだけでなく、鉢巻にして頭に巻いたり、目隠しにしたり手足を縛る紐になったり、酒の席で様々に利用されていました。 その汎用性の高さは、腰につけるベルトと並んで 日常 使いする服飾品のなかでも飛びぬけたものでしょう。

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(同人用語の基礎知識/ うっ!/ 2005年1月14日)
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