膨大な数の見本誌…保存だけでも大変そうです
「見本誌」(みほんし) とは、同人イベント などで 同人サークル が 頒布 する 同人誌 を、「見本」 として事前 (当日の 一般入場 前) にイベントの 主催者 の側に提出することです。 そうした制度や決まり、行為は 「見本誌提出」 と呼びます。
主にイベント主催者側が “頒布可能な表現の作品であるか” の参考にしたり (性器描写の無修正や 露出 など、刑法で頒布が禁じられている わいせつ表現 に関してのチェックなど)、あるいはイベント主催者側が資料として同人誌そのものを保存するために行っています。 またごく小規模な オンリーイベント などでは、主催側の 「趣味 で集めているのでご協力をお願いします」 なんてアナウンスして 「お布施」 として集めているケースもあります。
コミケにおける見本誌提出と見本誌票の使い方
なお世界最大の同人イベント コミケ では、わいせつ表現に問題があると判断したものに関しては 「会場での頒布を認めない」 との決定を行うことがあります。 その場合、サークル側に対して口頭でその旨伝えるだけではなく、サークルスペース (机) に警告書を貼り付けたり置いたりします。 この警告書は赤い 色 をしているため、俗に 「赤紙」 とか 「レッドカード」 などと呼ばれています。
コミケの見本誌票画像 |
実際の提出の仕方ですが、イベント主催側の担当者がサークルスペースを回り、各サークルから当日頒布予定の同人誌を集める形式がほとんどのようです (過去に持ち込んだことのない同人誌のみの場合が多い)。
その際、どの同人誌がどの同人サークルの頒布物なのかを整理しますが、「コミケ」 など大規模なイベントでは、左図のようなシール状の提出票が用意されているケースもあります (申込書セットの小冊子の冒頭に8枚綴りで添付、提出の際は受付番号やサークル名を記入の上、同人誌の表3 (裏表紙の内側) に貼り付けて提出します)。
集められた 「見本誌」 は、通常内容の大雑把なチェックを終えた後には資料としてイベント主催側が所有、保存します。 コミケでは誰でも閲覧できる同人誌図書館のような施設に保管していますが、小規模なオンリーイベントでは主催者が 「自分の好きな ジャンル の同人誌」 として大切に所蔵したりするケースもあるようです。 また内容チェックだけに留め、チェック後は同人サークル側に見本誌を返却するイベントもあります。
コミックマーケット 「見本誌 (提出) 票」 の必須記入項目
・ 受付番号
・ 配置場所
・ サークル名
・ 誌名
・ 頒布価格
・ 発行日
イベント会場現地で 「見本誌票」 が無いのに気がついたら?
「見本誌票」 の記入と貼り付け、提出は全てイベント当日に現地で行ってもかまいません (印刷屋さん から当日現地に届けられる 直接搬入 などでは、それしか方法はありません)。
しかし万が一 「見本誌票」 を忘れてしまった時は、コミケなら見本誌の 回収 を行っているスタッフさんに 「忘れました…」 と正直に申告しましょう。 たいてい予備を持っていてくれて、その場で貰えたりします。 隣近所に知り合いのサークルがいて予備があったら、1枚融通してもらっても良いでしょう。
また自分が参加するコミケの申し込みセットについていた 「見本誌票」 以前の古いものでも、形式が現在のものと同じものであれば、問題なく使えます。 ただまぁ、そうしたピンチを迎えなくて済むならそれに越したことはありませんので、出発の際はきちんとチェックするようにしましょう。