人の身体を切ったり大きくしたり… 「身体改造」
「身体改造」 とは、主に人体に対し、外科内科問わず医学的・物理的な器具や手段を用いてしばしば不可逆的な変形を施すことです。 英語では 「Body Modification」 と呼びます。 似た言葉に 「肉体改造」(ビルド) がありますが、こちらはトレーニングなどで筋肉をつける、ダイエットで痩せるなども含まれ、改造と云うよりは再構築や再構成といったニュアンスも大きく、より拾い使われ方がされるケースもありますが、同等の扱いをされることも多いでしょう。 また 「身体拡張」 の場合、一部で身体改造の要素が含まれることもありますが、コンピュータの外部デバイスなどを身体に装着して元々の肉体ではできない行為を可能にするといった使われ方が多いでしょう。
医学的な手段といっても様々ですが、代表的かつ現実にもありふれているものに、入れ墨 (タトゥー) やピアッシング、美容整形などがあります。 いずれも器具を用い医術によって身体に装飾や変化を加えるもので、外科的施術が未発達の時代は、器具で身体を固定・圧迫して変形させる手法 (コルセットでウェストを締め付けてくびれを作るとか、足に小さな木靴や布をきつく締めて小さくさせる纏足、その他、頭や首を長くするなど) などがあります。
これらはその時代その地域・民族の風俗や美意識に基づく容姿や肉体機能の美化あるいは逆に罰としての刻印などとして、古くから見られるものです。 近年では医学の発達により、それらをベースとしたより過激な身体装飾や改造なども行われるようになっています。
なお事故による怪我や 病気 などによって身体に大きな外科的変更を行う場合は治療であり、改造とは呼びません。 身体の一部や内臓の一部を取って人工的な医療機器に代えても、あくまでそれは治療となります。 同様に性器の切除や再構築によって身体的な性別を変えるようなケースも、心の性別に体の性別を合わせるための治療であり、性転換と呼ぶことはあっても身体改造や性別改造とは呼ばないことがほとんどでしょう。
創作物の世界では、虐待や欠損などと並び、取り扱い注意になりがち
創作物における身体改造は、前述したあらゆる実在改造を含んだ上で、例えば 成人向け の作品ならば現実にも行われている エロ や性的プレイを拡張・過剰にする形で再構成したり、それによって身体が歪むことを指すこともあります。 例えば乳房や乳首に何らかの器具やアクセサリーをつけて刺激を与え続けて肥大化させる、あるいは陥没させて性器の挿入すら可能な状態にするとか、男性器や女性器のクリトリスを肥大化させるなどです。
単に手足を切断するといった場合は、元からそれらがない状態を含め 四肢欠損、それらを含めた拷問や いじめ を広くくくって 虐待 と呼ぶこともあります。 生身の人間ではない場合 (例えばロボットとかアンドロイドとか) の場合は印象も大きく変わりますが、いずれも苦手な人は苦手なものでもあるので、閲覧注意 の警告を行うなど、興味のない人の目に触れないようにとの配慮がされがちな ジャンル と云えます。