本筋とは異なった、しかし世界観を共有した作品群
「外伝」(がいでん)「外伝モノ」 とは、ある作品 (オリジナル の作品/ 本編) の 世界観 や キャラクター の 設定、ストーリーの大筋などを 共有 した全く別の作品、派生作品類のことです。 しばしば本編ではあまり触れられなかった 主人公 の幼年期や若いころ (ヤングもの) や晩年のディティール、あるいは本編で軽く扱われたエピソードや伏線を深く掘り下げるような内容になったり、本編では敵役、脇役、チョイ役であったサブキャラクターが主人公に据えられて作られたお話だったりします。
また中には外伝が本編に迫るボリュームや人気を得るケースも多く、1つのストーリー中の事象を本編では主人公キャラの視点で描きながら、敵役だったキャラの視点で外伝を描いてその事象の意味を反転させたりなど、ものの見方、それぞれのキャラクターの立場、考え、苦悩を鮮明にして、全体の物語に深みを与えるような設定となっている場合が多いようです。
商業誌に掲載される長編小説や マンガ などで、作品中で死亡した敵キャラなどの人気があまりにも昂じて、ファンサービスの一環として原作者、もしくは著作権者によって読みきりの形で発表されたり、あるいは本編の連載は終了したものの人気があまりに高く続編を望む ファン の声がある場合に、ストーリー上続編が作りにくい (世界観を壊しかねない) 場合などに、しばしば単独の派生作品、外伝として発表されたりします。
公式の外伝と、ファンの二次創作による勝手外伝の2つがあります
広い意味では、同人作家 の描く 二次創作 (SS など) もこの 「外伝」 の範疇に入るようですが、わざわざ 「外伝」 と銘打つ場合には、本編で触れられなかった、しかし本編のファンなら合点がゆく巧みで自然な設定の流れや 解釈 が含まれている場合が多いようです。
アナザーストーリーやスピンオフなども
なお別の呼び方として、「派生作品」「派生ストーリー」「アナザーストーリー」(Another Story)、「スピンオフ」(Spin-Off)、「スピンアウト」(Spin-Out) とも呼ばれます。 ただしアナザーストーリーの場合は、世界観がまったく変わっていたり、キャラ設定が根本から違っている場合もあります。 一部の設定のみ引き継いだ、まったく別の作品といって良いと思います。
またスピンオフやスピンアウトは元々ハリウッド映画などで使われていた言葉で、そこでの本来の意味の通り、オリジナル作品の 作者 や著作権者が行う 「公式 の外伝」 という意味で使われるケースが多いようです。
なお正当な続編、後継作品である場合には、作品名に番号が振られ、ナンバリングタイトル と呼ばれる場合もあります。