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嫌悪感の共有

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嫌いだという感情で集まる人たち 「嫌悪感の共有」

 「嫌悪感の共有」 とは、自分が嫌いなもの、不愉快に感じるものなどをことさらに話題に上げ、それを仲間内で 共有 しようとすること、あるいは周囲に共感・同調を暗に求め、閉じた人的ネットワークの中でそれを常識や暗黙の前提、普遍的な価値にしてしまおうという振る舞いのことです。

 好きなものの共有などは、ファン 活動の一環として普遍的にみられる行為ですし、自分が好きなものは 布教 などと称して友人知人らに奨めたくもなります。 一方 「嫌悪感の共有」 の場合はその逆であり、アンチ のコミュニティといった形になる場合が多いでしょう。 その行動の類似性から学級会や糾弾会、人民裁判と呼んだり、お気持ち表明 のように呼ばれることもあります。

いじめに直結したり、他者批判のエスカレートが生じやすい 「嫌悪感の共有」

 もっともわかりやすい 「嫌悪感の共有」 は、いじめ の初期状態などにとてもよく似ています。 「あいつ キモ くない?」「わかるわー」 といった調子で、合理的で正当な理由もなく自らの不快感のみで特定のクラスメイトなどに 「キモイ」 というレッテルや 属性 を勝手に貼り付け、それを友人やクラスメイト全体の共通認識になるよう、折々にそれとなく触れてその空気を醸成していきます。 いつしかそれが既成事実となり共通の常識となり、事態はますますエスカレートしていきます。

 本当にキモイのなら 嫌なら見るな であり、視界に入らないように避けたり スルー すればよいだけです。 不快なら話題にすることすら避けるものでしょう。 またそのキモさに何らかの合理的な理由があれば、直接本人に云うのが良いかどうかはともかく、改善のためのあれこれへの道もあると云えなくもありません。

 しかし実際は理由らしい理由もなく、「ただ何となくムカついた」「ウザい」 という子供っぽく幼稚、差別的・攻撃的な感情から生じた本人の自分勝手な思い込みのみであり、それどころか無意識な正当化のために 「こんな不快な思いをさせられている私こそ迷惑」 との被害者意識すら持っている場合が多く、他者への不当な批判ではなく正当な自己防衛や権利だとすら考えているケースが多いでしょう。

 友人らと嫌悪や不快感を共有し話し合っているうちにより一層対象への嫌悪や憎しみは増幅し、たこつぼ・エコーチェンバー効果 によってますますその思いは強くなり怒りすら覚え、もっともらしい後付けの理由や自己弁護の屁理屈をつけ足して対象を貶めることに汲々とする状態となります。 お互いにどれだけ 強い言葉、汚い表現で相手を罵倒するかの競争となり、他ならぬ本人がその思いに囚われ、場合によっては相手への恐怖から過激な言動に出てしまう場合もあります。

 こうした 「迷惑な人」 は、子供のころは学校のそれなりに目立つポジション (いわゆるスクールカーストの上位) にいて影響力を発揮し、対象となった人 (地味だったり 根暗 っぽく見える人など) は深刻ないじめや人権侵害被害を受けることになりがちです。

ネット時代の 「嫌悪感の共有」

 こうした人は ネット の時代となり、広範に可視化されるようになるにつれ、様々な問題を生じることにもなっています。 憎悪クリエイター (憎クリ) や 対立煽り・分断煽りなどとも呼ばれます。 一部の政治的・思想的活動家などは、人の怒りを増幅し糾合することで自分の勢力や影響力を高めようとする傾向があり、例えば ツイッター といった SNS で毎日毎日他人や社会への文句や恨み、不平不満、呪詛 ばかりを振りまいていることが多いものです。

 やたらと 主語を大きく して、自分が不快に思うものは批判されて当然だし、それが社会の当たり前になるべきだと直接間接に毎日ぶつぶつと訴え続けていたりします。 自分の攻撃性を正当化したいがために 他責思考他罰感情 が増大し、どれだけ汚い言葉で罵詈雑言を浴びせても良い相手だと思い込むようになります。 そうした負のオーラを振りまくと、結局周囲には同じ負のオーラ持ちの人が集いますから、その中でどんどん意見は先鋭化します。

 こうした習性は人間誰しも持っているものです。 いじめには強い拒否反応があっても、飲み会での上司の愚痴や悪口なら嬉々として参加する人もいるでしょうし、それが人間と云うものでもあるのでしょう。 しかしいじめやネットでの誹謗中傷のように、直接本人にそれが届く状態で行うのは、さすがにどうかと思います。 こういう感情は知らず知らずに増幅し本人もそれに気が付かないことが多いので、最初から近づかないか、ちょっとでも違和感 (さすがにそれは言い過ぎでは?、みたいな) を感じたら、速やかに距離を取るのが大切なのでしょう。

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(同人用語の基礎知識/ うっ!/ 2005年2月21日/ 項目を分離しました)
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