同人用語の基礎知識

〇〇までは見て・読んで

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そこまで見れば、読めば、きっと良さが分かるから… 「〇〇までは見て・読んで」

 「〇〇までは見て」 あるいは 「読んで」 とは、おたく腐女子 が自分の好きな アニメマンガ、ドラマや特撮、ゲームカップリング などなどを、友人知人にお勧めする際にしばしばすがるように懇願する視聴・読書の 「最低限の目安」 のことです。

 〇〇の部分にはその 作品 の量的な目安 (例えば 「第3話までは見て」「第2巻までは読んで」 など)、もしくは質的な目安 (例えば 「主人公 が家を飛び出るまで見て」「途中で◇◇という キャラ と合流するまで読んで」 など) が入ります。 なぜそのようなお願いをするのかと云えば、その作品の面白さがそのあたりからわかり始めると、お勧めする側が思っているからです。

 俗に 「1話切り」(初回の第1話を見ただけで視聴や読むのをやめてしまうこと) といった言葉があるように、様々な コンテンツ が次々に生まれる時代では、「いまいちだな」「自分に向いてないな」 と序盤で思われるとその時点で即刻切られてしまう可能性があります。 また視聴者や 読者 にそうした傾向があるのを制作者側もわかっているので、第1話からアクセル全開フルスロットルで飛ばすコンテンツも増えていますが、伏線とその 回収 が巧みだったり、どんでん返しの面白さ、じわじわと良さが分かってくるようなじっくり見るべき作品にはやや不利な状況でしょう。

「ちょっとだけ見てみるか」 まで育てた友人知人を逃がさない

 友人知人に好きな作品を勧める、あるいは 布教腐教) する側からすれば、あれこれ話を振るなどしてせっかく 「興味はあるかな」「ちょっと見てみようかな」 とまで意欲が喚起された友人知人に 推し の作品を序盤で切られ、「面白くなかった」 と云われては、それまでの苦労が台無しだし何より悲しいです。 そこで 「頼むから〇〇までは見てくれ、面白さが分かるから!」「そこまで見て面白くないと思うなら仕方ないけど、それ以前に切られてしまうのは不本意すぎる、心外すぎる!」 との魂の叫びとして 「〇〇までは見て」 あるいは 「読んで」 が口から溢れ出るのでしょう。

 なお相手に 布教用ビデオDVD、単行本や 同人誌 などを貸し出したり、動画サイト のURLを教えて自主性な 「〇〇までの視聴・読書」 をお願いするだけではそれを守ってくれるか不安な場合は、自宅などに言葉巧みに誘い入れて監視下に置き、長時間にわたる 一気見 を強要、逃げ場のない状況で の奥に引きずり込んだりすることもあります。

ネタバレにならないよう、若干のフェイクを入れる場合も

 ところで、お勧めする側からはそのような意図はないものの、具体的に 「〇〇までは見て・読んで」 と量的・質的な視聴の目安を示されると、それを聞いた方は初見でありながら何らかの予断が生じることはあるでしょう。 例えば 「第3話まで見て」 と云われると、「第3話で何が大きな事件があるんだろう」 と予想できて身構えてしまいますし、質的目安であれこれ 物語 の概要を含めた話をすると、核心部分をぼかしたとしても、漠然とした ネタバレ になるケースもあります。

 またそもそもの大前提として、親しい友人知人が勧めてくるからには、その人が好きな ジャンル萌え やすいキャラ、物語だろうとの予想がある程度はつきますから、まっさらで新鮮な気持ちで向き合えなくなる可能性があります。 そうなると、せっかくの伏線回収やどんでん返しといった作品中のギミックから受ける衝撃や面白さを、お勧めする側が相手から奪ってしまうという本末転倒な状況にもなってしまいます。

 そこであえてフェイク (嘘) の目安を伝えることもあります。 例えば第3話であっと驚くどんでん返しの展開があるなら、「第4話まで見て」 と本当のポイントを外した位置を目安にしたりします。 お勧めされた側は 「第4話で何かがあるんだろう」 と思って視聴していたら突然第3話に衝撃の展開が起こって意表を突かれ、新鮮な気持ちで作品と向き合えるようになるでしょう。

 ただし最終話近辺まで見ないと面白さが分からない作品、あるいは長寿シリーズで話数が100を超えたりしている場合は、お勧めされる側の心理的障壁が極めて高くなりますから、あえて目安を示さず、「いいから見ろ」 と力ずくの布教というか説得というか強要で押し切る方が有効な場合もあります。

とはいえ、大切な友人知人を失わないためにも、やりすぎは禁物

 親しい友人知人に何かをお勧めされるのは断りづらいものですし、見たら見たらで何らかの 感想 やリアクションを返さなくてはならない義務感が心理的負担となる場合もあるでしょう。 本当に面白いものならお勧めしたくなるのは人情ですが (大切な友人と好みや 趣味 が一致するというのは、本当に幸せなことです!)、やりすぎると友情や信頼関係にヒビが入ったりもしますから、ほどほどにするようにしましょう…。

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(同人用語の基礎知識/ うっ!/ 2008年11月10日)
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