好きなキャラを悪く描かれてストレスが… 「下げ描写」
「下げ描写」 とは、マンガ や アニメ といった創作物の物語において、特定の キャラ の評価を下げるような描写や出来事のことです。 例えばそれが 主人公 なら 「主人公下げ」、ヒロイン なら 「ヒロイン下げ」、特定のキャラの下げ描写が中心となるエピソードはそのキャラの名前をつけて 「○○下げエピ」「○○下げ回」 と呼びます。
主人公やヒロイン以外のキャラ、例えばライバルや敵、単なる 脇役 ならば、物語の役割として主人公やヒロインの活躍を盛り上げ、踏み台となるためのキャラや 設定 だともいえるため、ことさらに問題になることも少ないのかも知れません。 しかし 作者 などの意図に反して人気がでた敵キャラや脇役が不当・過剰に感じられる レベル で下げられると、そのキャラを 推し ている ファン から 「作者が 自分のキャラの好き嫌い でえこひいきや差別をしている」 と批判的に見られることがあります。
いったん下げてから上げる…そのいったん下げるが我慢できない
一方、物語に起伏のある展開をつけるため、主要キャラに挫折や試練を与えるような意味で下げ描写がされる場合もあります。 こうしたエピソード回はとくに 挫折回 と呼びます。 こうした展開ではキャラは絶望に囚われていつもの輝きを失ったり、仲間と争いを起こしたり、暗黒面 に入り込んで 闇落ち しそうになったりします。
その後キャラは困難を乗り越えて一回り成長し、読んだり観たりしている人にある種の達成感や爽快感、カタルシスを感じさせてくれるのですが、この際の下げ描写があまりにひどかったり (倫理にもとるものの場合、挽回できないこともあります)、乗り越えるまでの時間が長すぎる場合、読者 や視聴者のストレスも高まり、「作者はこのキャラが嫌いだからこんなひどい描写をするんだ」 などと思い込んだりします。
まったりとした日常系のほのぼの作品が増える中、「創作物の中でまで成長やら進歩やらを求められたくない」「作品に癒しを求めているだけなのに過度の試練は見ていて辛いだけ」 という人もいます。 とくに ゲーム などで多数のキャラが登場しそれぞれに推しのファンがつくような作品の場合、特定のキャラを下げるのは批判の声が上がりがちで、時代を経るにつれて下げ描写全般が減りつつあると云って良いでしょう。