制限を加えて平等にしたり面白くしたり… 「縛り」
「縛り」 あるいは 「縛りプレイ」 とは、縄やロープなどで何かをひっくるめること、束縛することです。 またそこから転じて何らかの行為に対して制限や禁止事項を設けること、条件を縛ることを指すこともあります。 この場合、他者から縛りを求められることもあれば、自主的に設ける場合もあります。
一般的にはスポーツなどの競技において、実力差などがあった場合にバランスを取るために有利な方に制限を課すハンディキャップとして認識されたり (将棋における駒落ち戦 (手合割り) とか)、本人が何らかの願掛けやこだわりのために自らに制限を加えるような様をあらわします。 通常は自らを一方的に不利にし、苦痛や困難を与える行為となりますが、縛りを乗り越えて 勝利 したり目的を達成できれば、それだけ喜びも大きくなるでしょう。
ゲームにおけるこだわりやロマンの 「縛りプレイ」
おたく や 腐女子 の世界では、ゲーム における縛りプレイがもっとも代表的な使われ方でしょう。 ゲームの仕様やルールでは使用可能な強い武器や キャラ、最適な編成などをあえて使わずにクリアする、プレイ時間や 課金 を制限する、特定の武器やキャラにこだわってそれだけを使って 攻略 するなどです。 この場合、縛りの対象となった武器やキャラは封印したなどと呼びます。 また通常の攻略と区別するために縛りプレイの他、コンセプト攻略 と呼ぶこともあります。
ゲーム攻略の最適解や効率から見れば対極の、自ら苦労を買うある意味で無駄なプレイだとも云えますが、ゲームの面白さは人それぞれですし、また誰も想定していないような厳しい縛りから創意工夫が生まれ、それまでなかったような新しい 攻略法 が見つかることもあります。
これらは本人の 趣味 やこだわり、ロマン といった部分もあれば、ゲームをやり込んだ結果 普通 のプレイでは簡単になりすぎて面白くなくなってしまい、やりがいを求めて自主的な 難易度 の調整として使う、あるいは他の プレイヤー の誰も達成できていない超高難易度の攻略法でクリアして達成感を得たいなどの動機が元になっている場合もあります。 ガチ勢 の中には、強いこだわりがあってこそだとするような考え方、あるいは美学を持つ人も少なくありません。
なお趣味やロマン、強いこだわりなどによって縛ることを 宗教上の理由 と呼ぶこともあります。
創作活動における 「縛り」
創作活動や 同人活動 において、ある種の縛りを技術的な訓練として行うことがあります。 例えば 絵描き をしていて偏った傾向のキャラクターしか描けない場合に、その傾向を封印して 絵 のバリエーションを増やすきっかけとしたり、字書き で多用しがちな表現を使わないようにするなどです。 これは個人的な訓練として行う場合もあれば、複数人で構成される サークル や集まりで課題として取り組むといった形になることもあります。
また 成人向け・18禁 の作品において、SM のプレイの一種として縄やロープで縛りあげることを指す場合もあります。 この場合、より明確化するために 「緊縛」 や 「拘束」 と呼ぶ方がポピュラーかも知れません。