一枚の完成したイラスト…これが見たかった 「スチルイラスト」
「スチルイラスト」 とは、背景がついて一枚の 絵 として完成した イラスト、一枚絵 のことです。 スチル とは動画に対する静止画といった意味で、英語の Still (静止) から来ています。 使われるのは主に ゲーム などで、物語 や キャラクター にとって重要な 「ここぞというシーン」 で使われるイラストや 画像 となります。
なおキャラの会話などの際に表示される汎用の キャラ絵 は 立ち絵、その立ち絵に微妙な動きや違いを付加するパーツ類は 差分 と呼びます。 スチルイラストはそれらと異なり、特定のシーンのみで用いられ、構図や背景、キャラの衣装なども使いまわしの出来ない凝ったものとなります。 ただし時代と共にゲームにおけるイラストへの要求が高くなり、またちょっとした アニメ などリッチな表現や演出への 需要 が高まる中、スチル絵といいつつ口パクや若干のポーズ違いなどで動きが加えられたり、そのための専用の差分が作られることもあります。
ゲームにおけるスチルイラスト
スチルは元々は映画の世界で、ムービーとの対比の中で広告・宣伝用に映画の撮影とは別に銀塩フィルムカメラで撮影した写真のことです (スチル写真と呼びます)。 映画フィルムの1コマ (フレーム) を切り出したものとは別に扱われますが、その後は映像と静止した 画像 との使い分けの中で一般にも広がり、それがアニメやゲームと云った動く絵と動かない絵を使う場で、そのまま使われるようになっています。
一般にゲームで立ち絵が使われる場合、画面の下にセリフが表示されるエリアがあり、物語やエピソードを進めるコマの一部として全体が機能します。 スチルイラストの場合は、その物語やエピソードのクライマックスやラストシーン専用のものとして用意され、おおむね画面いっぱいに表示されるものとなります。 また ネトゲ にせよ何にせよ、そのシーン専用のものであるため、特定の イベント のためのものなら イベント絵 として扱われ、「その時」 しか見ることができません。
もっともせっかく力を入れて制作した絵がそれっきりというのももったいないし、プレイヤー はしばしばプレイしたご褒美でもあるそのイラストをまた見たくなったりもしますから、通常はゲームの機能の中にアルバム機能といった過去に見たイラストが一覧表示されるシステムを持っていて、それら アウトゲーム (直接ゲームの 攻略 に影響しないサービス要素・やり込み要素) として実装されることが多いでしょう。 ゲームによっては獲得したスチルイラストを全体の数で割合表示し、〇% といった達成度で表示するものもあります。 プレイヤーがこの達成度を高めることはアルバム埋めとか図鑑埋めと呼びます。
なお ガチャ があるゲームの場合、そのガチャで得られるカードの図案 (カードイラスト) がそのまま専用のエピソードなどに用いられ、スチルイラストとしても機能する場合もあります。 絵アド があればそれだけガチャが回されますから、そのキャラの魅力が最大出力になり、プレイヤー が 感情移入 できて欲しくなるような美麗なイラストになったり、そのカードが実装された時期に合った 季節絵 (例えば夏なら 水着、クリスマスの時期ならサンタの恰好など) になったりします。