水彩絵の具を使ったような、透明感のある彩色…「水彩塗り」
「水彩塗り」(すいさいぬり) とは、イラスト、とくにコンピュータを使った CG などにおいて、水彩透明絵の具を使ったような塗り方、水彩画のような彩色を指す言葉です。
紙やカンバスに絵筆で描くイラストや 絵画 においても 「水彩画風」 との意味で使う場合もありますが、水彩絵の具を使った 絵 は水彩塗り以前に水彩画そのものなので、ことさらにこうした表現を使う場合は、水彩絵の具以外の絵の具、画材 を使ったものに対して使う言葉だといって良いでしょう。
ただし同じ水彩絵具を使った彩色でも、グワッシュ (ガッシュ) などの不透明絵の具を使った塗りのイメージを持つ彩色は、厚塗り (油絵のようにこってりと重厚感のある彩色方法) とされるケースが多いようです。
なおこうした塗りの種類に対する表現はいくつかあり、代表的なものに アニメ塗り (アニメ (セルアニメのセル画) の キャラクター のように、影や色分けをざっくりと簡略化して塗る方法) やエロゲ塗り (アニメ塗りの手法を使いながらも グラデーション などを多用し、過剰に立体感や質感を出す塗り方)、ラノベ塗り (ラノベ の表紙絵や挿絵で見られるような、マンガ・アニメチックながら厚塗りでより絵画っぽい塗りの傾向が見られるもの) などもあります。
透明感、清潔感があり、親しみ易い 「水彩塗り」
元々水彩画は、水で溶いて使う絵の具を使った絵という意味で、画風そのものを指す言葉ではありません。 また水彩絵の具といっても、大きくわけて透明絵の具と不透明絵具の大きく2つがあるわけですが、「水彩塗り」 とする場合は、一般に水彩画としてイメージする透明感のある彩色、誰でも学校で一度は使う透明絵の具を使った 雰囲気 を持つ着色法と考えて良いでしょう。
こうした塗りは、清潔感 があり、あっさりとした爽やかな絵に向いていて、好んで描く 絵師 さんも多くいる一方、他の塗りに比べて写実的ではない絵画的な簡略化がみられる、いかにも 「描いた絵」 という雰囲気があります。 1点もののイラストや 表紙、パッケージイラストとして見る分には良くても、ゲーム などのプレイ本編における彩色で使うと、感情移入 を妨げるとの意見もあります。