正当な高難易度ではなく、ズルイだけの一撃死… 「初見殺し」
「初見殺し」 とは、主に ゲーム の世界で使われる言葉で、ある敵と初めて対峙した時に、相手があまりにイレギュラーな動きやそれまでとは全く違う強力な攻撃を繰りだすので正攻法では歯が立たない、予備知識がないとどうすれば 攻略 できるのかすら全く分からないような状態のことです。 あるいは落とし穴などのトラップや、そうした仕掛け全般を指す場合もあります。 似た言葉で、「初心者殺し」 と呼ぶこともあります。
もちろんゲームですから、弱点や攻略のポイントはちゃんと 設定 されており、その方法がわかるとむしろ簡単に倒せたり突破できる場合も多かったりするのですが、初めて見た時はそれがわからないのでそのまま ゲームオーバー になってしまい、初見殺しという言葉で呼ばれるようになりました。
2度目以降はむしろ楽勝…ゲーム性に則った難易度設定が感じられない…
もっとも嫌われるパターンは、「単に知らなかっただけで一撃で死ぬ」「敵と遭遇したら訳のわからないうちにいきなり死ぬ」 のような単純なパターンでしょう。 例えば ボス戦 が始まってステージが変わったら、いきなり地面に穴が空いて落下死とか、頭上から岩が落ちて死亡…といった、何もしないうちにいきなり終わるパターンは初見殺しの典型です。
しかもこれらは、「ステージが変わったらすぐに移動する」 などの 攻略法 がわかると簡単に避けられますから、「それは工夫されたゲームの 難易度 というより、単なる意地悪じゃないか」「攻略本を買えってことか」「二度目三度目は ザコ 扱いでつまらない」 との悪い印象を プレイヤー が持つ場合もあるものです。 プレイヤーにとって手応えのある作りこまれた高難易度ではなく、安易で単にズルイだけの 難易度設定 を批判的に指す言葉としても、初見殺しはよく使われます。
またプレイ開始からずっと普通のRPGやパズルゲームだったのに ラスボス との戦闘だけいきなりシューティングになるとか、ゲームの ジャンル そのものがガラリと変わってしまうものもあります。 ゲーム途中の演出としてジャンル違いのプレイが始まるのは変化もあって歓迎される空気もありますが (そこが鬼門となって毛嫌いする人も多いですが)、ラスボスでそれでは、「これまでのプレイは何だったのか…」 との疑問も出てきてしまうでしょう。
日常生活の場でもアレンジして使われる 「初見殺し」
なおこうしたゲームの世界での言い回しが転じて、初めての人が見ると訳がわからないようなものを、広く一般に初見殺しと呼ぶ場合もあります。 例えば 「東京の地下鉄は複雑すぎて初見殺しだ」、のような言い回しです。 またそれが転じて、「初心者お断り」「素人お断り」 との意味で使われる場合もあります。