どんなキャラでもかわいくなってしまう…「幼児化」
「幼児化」(幼児パロ) とは、既存の アニメ や マンガ といった コンテンツ の青年や大人の キャラ を、幼稚園児や小学生低学年程度の幼児・子供にしてしまう 二次創作・パロディ のことです。 舞台がしばしば幼稚園となることから、幼稚園児化とか幼稚園パロと呼ぶこともあります。 また男性向けの作品のキャラが女性の場合は ロリ にするとの意味でロリ化、女性向け作品で男性キャラの場合は ショタ にするとの意味でショタ化と呼ぶこともあります。
単に 元ネタ となる作品に登場する青年や大人のキャラを幼児化するだけでなく、周囲の登場キャラ全てを子供にするような方法が代表的ですが、見た目や年齢以外のそれぞれの性格や関係性は全く、あるいはほとんど変わりません。 ただし 「後付けの伏線」 になるような、後のエピソードにつながる要素を意図的に混ぜてギャグにしたり、後の性格や関係性を、子供っぽく若干マイルドにするパターンもあります。
一方、推し のキャラのみを幼児化して、周囲のドタバタを笑いにしたり、カップリング の片方を幼児化して、もう一方の母性的な愛情の注ぎ方を笑いにしたり、元の作品では強かったキャラを弱々しい幼児にして周囲に復讐させるような作品もあります。
なお最初から幼児化している場合もあれば、途中から何らかの原因で幼児化する作品もあり、それぞれで味付けはかなり変わります。 最初から幼児化している場合は 「〇〇キャラが子供だった頃の話」 になるでしょうし、途中から幼児化する場合は、幼児ならではのギャグや物語をある程度提示した後は、元の青年や大人に戻るまでが描かれることが多いでしょう。 場合によっては 夢落ち で辻褄を合わせることもあります。
子供は等身が下がることになりますから、キャラの元の姿が8等身とか10等身の場合、ギャグパロなら思い切って2頭身とか3頭身くらいにまで縮めてしまう場合もあります。 2頭身3頭身といった極端に等身が小さい描き方は一般に SD (スーパーデフォルメ) と呼び、これはデフォルメの形式であって年齢とは関係がありませんが、SDキャラはやっぱり可愛らしく幼い感じがしますし、幼児化などと複合して行われるケースがとても多いでしょう。
なぜ幼児化 (ロリ化・ショタ化) するのか
幼児化する理由は様々あります。 単純に小さい子供はかわいいというのもありますし、元々ロリ 趣味 やショタ趣味がある人は、そうした状態のキャラが好きなわけで、もし推しが青年や大人なら、幼児化するしかないという部分もあります。 また元ネタとなる作品本編が伝記や 一代記 の形式でキャラの子供時代から描かれていたり、回想シーンなどの形で子供の頃の姿が登場していれば、幼児化ではなくそのシーンの二次創作だと云えなくもありません。
一方、より切実な理由で幼児化する場合もあります。 例えば元作品で推しのキャラが悲惨な目に遭ったり死んだりする場合、そこからなるべく離れた時間軸で二次創作したいという複雑なファン心理があります。 あるいは推しがモラル的に拒否反応が出るような悪行や犯罪行為をする場合、毒抜き・脱臭・去勢のために子供にしてしまうという部分もあります。
一般に幼児ネタや幼稚園ネタは、微笑ましくほのぼのとした明るい作風になりますから、元作品がシビアで物語があまりに重すぎる場合には、もっぱら毒消しを主な理由として幼児化が用いられるケースも多いものです。 例えば仲間を裏切る殺人鬼キャラが推しの場合、そのまま描いていては気分的にも辛いし、かといって善人にしてしまっては キャラ崩壊 になりますし、元作品で裏切られ殺される仲間キャラの扱いも難しくなります。 殺されるキャラが推しだというファンもいるからです。
描く時代を幼稚園の頃に 設定 し、まだ仲間と和気あいあいとしていた時代にすることで、そうした自分の複雑な感情、周囲の別キャラファンの視線も緩和することができるでしょう。 しかし一方で、いずれにせよキャラ崩壊は避けられない場合も多いので、幼児化そのものを苦手とする人も結構います。
なお幼児化まではしないけれど、少年や若者にする場合は、少年化などの他、とくに ヤングもの と呼びます。 元作品で中高年のキャラが若い頃の活躍を描くような作品となります。