解釈が違うという意味か、苦手だ嫌いだの意味か… 「解釈違い」
「解釈違い」 とは、同人 の世界においては何らかの作品や キャラクター に対する 解釈 が自分とは違うこと、その結果生じる感想や考察、二次創作 も自分が考える (あるいは自分が好きな) それとは異なっているとの意味の 同人用語 です。
解釈とは何らかの事象や表現に対して、それを受け取る側が状態や内容や意味を吟味・推測・判断して理解することですが、この場合は アニメ や ゲーム といった 元ネタ・元作品となる コンテンツ の 世界観 やキャラをどう理解したか、どう感じたかを指します。 例えばキャラならそのキャラの性格や思考傾向、主義主張、行動原理といった内面的なもの (間接的に描かれるだけで把握や理解にそれなりの読解力が求められるものも多い) の他、マンガ やアニメなどの映像作品において直接描写されるキャラの見た目の印象とその描写なども解釈となります。
解釈違いと呼ぶ場合、二次創作 (パロディ、ファンアート、及びそこで描かれる キャラや カップリング など) に対する立場や評価も自分とはまるで違う、あるいはしばしば 「理解できない」「好きになれない」「苦手だ」 ということになります。
解釈が違えばカップリングも違う、描き方も違ってくる
例えば二次創作における重要 概念 であるカップリング (キャラ同士の組み合わせ) の場合、それぞれのキャラの役割として 受け と 攻め があります。 どちらが受けになるのか攻めになるのか、それは最初から最後までそのまま (固定) なのか途中で変わるのか (リバ) などは、キャラの性格や性質を作品から読み取って理解・把握した上で行われることが多いでしょう。 自分はこのキャラは受けだと思うけれど、他の人が攻めにしている (逆カップリング) なら、それは 「自分とはキャラの解釈が違う」 となります。
またシリアスな作品をギャグとして再構成する際に、どの部分を膨らませて笑いにつなげるか、そこにそれなりの根拠があるのかなどの受け取り方や感じ方にも、それぞれの ファン や二次創作の 作者 ごとに異なる解釈が土台として存在するでしょう。 また原作では 貧乳 なのに特段の理由なく 巨乳 で描かれるといったビジュアルに関する描き方の違いも解釈違いだとされることがあります。 原作の絵柄があまりに特徴的で多くの二次創作が絵柄を寄せて描かれる中、自分の絵柄で描いたものも解釈違いとされ、自分絵 との注意喚起が必要となるケースもあります。
作品をどう理解するか、感じるかは人それぞれの部分があります。 一応は 公式 な 設定 に基づく 「正しい解釈」 らしきものがあったとしても、最終的には 「それぞれの読解力や好みの問題」 になりがちです。 自分の好きなキャラ、推し のカップリングで自分とはまるで異なる描き方をされると違和感を覚えたり見ていて辛い場合もありますが、「お前の表現は間違っている」 と決めつけるのも乱暴だと感じられる場合に、「解釈が違いますね」 は解釈の多様性や異なる立場の尊重、相手への配慮を込められる点で、とても便利な言葉なのかも知れません。
もっともそうした感情をわざわざ相手にぶつけたり ネット に 書き込み するというのは、直接的な批判で反論されたくはないけれど、ひとこと文句は云いたいという時に便利な言い方だという部分もあるのでしょうけれど。
このような ニュアンス が含まれるため、「解釈一致」(あるいは解釈大一致) が強い親しみや共感、賞賛の意を込めて使われることが多く、おおむね解釈違いは 「自分とは意見が合わず理解や評価も難しい」 といった、批判的なニュアンスで使われたり受け止められることが多いでしょう。 「好みが合う・合わない」 と同等のニュアンスだと考えてもさほど遠くありません。 まぁ中には字義通りに異なる解釈だと思って見ていて、自分では届かなかったその解釈に徐々に目覚めて推しキャラやカップリングの新しい魅力に喜ぶ人もいますけれど。
なお違いが我慢できない レベル となると、単に苦手だとか嫌いだといった範囲を超え、「見たくもない」「視界に入らないで欲しい」 ほどの嫌悪にまで至り、そうした作品はしばしば 地雷 や崩壊 (世界観崩壊・キャラ崩壊) と呼ばれたりします。