京極さんも感極まって 「なんちゅうもんを」
「なんちゅうもんを」 とは、ホンモノを知る熟練者、ベテラン や専門家などが、心の底から感動し、涙ながらに絶賛しまくる時に使う最上級の賞賛のための形容詞です。
語源としては、マンガ 「美味しんぼ」(雁屋哲/ 花咲アキラ/ ビッグコミックス/ 1983年〜2008年) のエピソード 「鮎のふるさと」 において、京都の富豪、京極万太郎が、海原雄山の出した四万十川の鮎のあまりの美味しさに、泣きながら食べた時に喋ったセリフ、「なんちゅうもんを食わせてくれたんや…なんちゅうもんを…」 を由来とします。
物語としては、京極さんが怪我をして入院、そして退院となったので、お祝いにご馳走しますよという作品 主人公、新聞社のグータラ記者の山岡士郎の提案が発端となります。 その後、士郎の父であり作中ライバルでもある雄山が登場、京極さんの希望 「鮎」 を テーマ にした 「鮎料理対決」 となったのですが、京極さんは雄山の鮎料理を 「なんちゅうもんを…」 と涙ながらに絶賛する一方、この場を提案した山岡の鮎は 「これに比べると山岡さんの鮎は カス や」 と罵倒 (アニメ では 「比べ物にならん」) と述べています。
どちらも 厳選 した素材、卓越した調理方法で作られた料理なのですが、雄山の出した鮎の天ぷらは京極さんのふるさとのそばに流れている四万十川の鮎だったことから、これが決定打となったようです。 まぁこういう心づくしは、むしろ山岡がやりそうなことですし、それに比べるにしても京極の云い方も凄いものがありますがw (まぁマンガですからねぇ)、この対比の面白みも受けて、単に絶賛で 「なんちゅうもんを」 を使うだけでなく、「カス」 と腐す表現と並べ、「絶賛」 と 「罵倒」 とのセットで使われる場合も多いようです。
例えば、「アニメ○○を見た、なんちゅうもんを作ってくれたんや…なんちゅうもんを…これに比べたらアニメ□□はカスや」 などという感じです。
ネットや同人、おたく界隈で使われる賞賛表現にはこの他…
なおテレビ埼玉の お約束 ローカルCM、埼玉銘菓 「十万石まんじゅう」 のCM中のナレーションのセリフ、「うまい、うますぎる」 のアレンジで、「凄い、凄すぎる」 なんてのもあります。
また マンガ や アニメ が 元ネタ の絶賛表現としてはこの他に、ガンダムを由来とする これはいいものだ、サザエさんのマスオのセリフ (の 空耳) を元ネタとする びゃあ゛ぁ゛゛ぁうまひぃ゛ぃぃ゛ などもあります。