手が届かない存在だけど… 「リアコ」
「リアコ」 とは、「リアルに恋してる」 の略で、そうした状態・人を指す言葉です。 ただし恋の対象はリアルに恋どころか近づくことも難しい相手、例えばアイドルや歌手、俳優、声優などのもっぱら芸能人となります。 あるいは人によっては アニメ や ゲーム といった コンテンツ に登場する キャラ を含める場合もあります。 表記ゆれ で 「リア恋」 と呼んだり、似た言葉で 「ガチ恋」(ガチ で恋している) もあります。
アイドルなど手の届かない芸能人に恋する人は昔からいます。 熱心な ファン の熱意が高じて 「芸能人として好き」「応援している」 から 「一人の人間として、異性として好きだ」「愛している」 になるわけです。 自分の部屋に ポスター などをびっしり貼る、日用品をそのタレントの グッズ で揃えるなど視界に常に 推し がいるような状態 (ブレナン神父症候群) が続くと、自分自身で自分に洗脳をかけているような状態となり、好きの感情は上がる一方でしょう。
恋愛感情的には学校や職場などの異性、身近で手が届くかもしれない異性に対する 「片思い」 にも近いのかもしれませんが、芸能人はドラマなどで画面の向こうからこちらに向かって優しく微笑んでくれたりしますし、それが自分に対するものでないのを頭ではわかっていても、魅力のとりこになってしまった以上は関係ないのかもしれません。
またライブやコンサートで視線があったとか、サイン会や握手会などの接触系の イベント などに訪れたり、さらには頻繁にそうしたイベントに通うことでこちらを覚えてくれたり (認知) すると、リアルな距離も急接近したと感じられ、恋愛感情の本気度も一気に高まります。
同じアイドルのファンは同士や仲間ではなく恋敵に…?
リアコも行き過ぎると、様々な問題が生じることもあります。 「〇〇さんが好きだ、恋をしている」 と思うまでは良いのですが、そこからさらに熱が高まり、「〇〇さんだって私のことを意識しているはずだ」「好きなはずだ」 との思い込みまで入ってくると、その思い込みからの暴走 (ストーカーじみた追っかけ、付きまとい) が生じることもあります。
さらに推しが同じファン (同担・推しかぶり) に拒否感を覚えたり (同担拒否)、場合によっては同担に対する嫌がらせや様々な迷惑行為によって、厄介・害悪 扱いされてしまうケースもあります。 リアコという心理状態においては、多かれ少なかれ 「嫉妬」 や 「独占欲」 といった負の感情が避けて通れない部分もあります。 心の中でそう思うのは自由でも、他者への攻撃と云う形で外に出てきたら周囲の人たちもやっぱり不快だし、困ってもしまうでしょう。
また芸能人やアイドルではなく、ファンとの距離感が近くネットを通じて本人と容易に言葉のやり取りができてしまうネットの 配信者、YouTuber (ユーチューバー) や Vtuber (バーチャル ユーチューバー) などでは、距離感のおかしい病的あるいは過激なファンによる トラブル も度々生じています。
行き過ぎたリアコファンが彼女・彼氏ヅラして場を仕切ろうとしたり、粘着質 で性的な要素もある気持ちの悪い コメント を残す、推しと コラボ した異性のコラボ相手に罵詈雑言や誹謗中傷を浴びせる、「あなたのためを思って」 と称してよくわからない 母親・ママ のようなアドバイスや説教を行う、性的な 二次創作 や 夢創作 を本人に届くような形で公開する、さらには直接送り付けるなどなど、しばしば人気配信者の活動停止の原因になったり、法的措置を通じた事件なども起こるようになっています。