アメリカでの成人映画の区分け 「X指定」
「X指定」 とは、アメリカの映画作品などに適用されていた レイティング のひとつで、鑑賞者に18歳以上の年齢制限を設けることです。 いわゆる 「成年映画」(一般向けに公開される映画で性的要素を一定以上含む映画なども多い) ということになりますが、他のレイティング区分のような 「推奨」 ではなく 「禁止」 の制限で、強制力があるのが特徴です。
後に、当初は15歳未満の単独鑑賞を禁じた R指定 (Restricted/ リストリクテド/ 制限された) の拡張に伴い、アメリカでは 1991年頃に原則廃止されましたが、「X指定」 という表現は当時の日本でも使われるようになっていました (ゲーム のソフトの区分けなどでも使われていて、1996年頃に日本でも廃止)。
なお規制の内容的には性的なもの以外にも、一定以上の暴力や犯罪表現なども倫理の基準になっていましたが、廃止後も 「エロの代名詞」 的なスラングとして日米ともに生き残り、「すごいエッチな映画」「エロい動画」「見えちゃうゲーム」「やっちゃうゲーム」 のような意味で使う場合もあります。
エロい 「同人誌」 などに自作の 「X指定」 マークを貼り付けたり
「X」 の由来については、アメリカなどで使われる 「SEX」 のポルノ的なスラング 「X」、あるいは 「EX」(Explicit Sex/ 露骨なセックス) がそのまま使われた感じでしょう。 昔日本のトヨタが 「セリカXX(ダブルエックス)」(初代/ 1978年) という北米向けに 開発 された車をアメリカで発売した際、国内仕様と違い北米仕様では車名を 「SUPRA」 に変更したことがありますが (後に日本でも SUPRA になりましたが)、これもポルノスラング 「X」 あるいは映画の 「X指定」 によるイメージ悪化を避けるためのものでした。
同人 の世界でも、1990年代くらいまでは、18禁 の意味で本の 表紙 などに 「X指定」 の自作マークを入れてる人がいたものでした。 現在の 成年コミックマーク みたいなものですね。