あの頃は良かった…ドットのキャラに愛を感じたよ…思い出補正
「思い出補正」 とは、過去の記憶、思い出を美化してしまったり、経年により悪いところのみを忘れて良い記憶のみ残ったりすることです。 こうした 「過去を美化する」 という概念は大昔からありますが、とりわけ 「思い出補正」 と呼ぶ場合には、子供の頃、あるいは昔に楽しんだ アニメ や ゲーム (とりわけゲーム) の過去作品に対する懐かしさからの理想化、美化を指す場合が多いようです。
なお 「補正」 については、単なる 「過去の美化」 とは違った意味を持つ場合もあります。 例えば昔のゲームですと、ゲームハードの性能、スペック が低く、音楽を鳴らす音源も音数が少なく、グラフィックも現代の3Dゲーム機とは比べ物にならないほどのしょぼさ (色数、解像度、フレーム数ともに) です。
これらはハードウェアの制限なので作品そのものの 「出来不出来」 とは関係がありませんが、ゲームメーカーやクリエーターの技術や工夫でそれと感じさせない作品も多く、つまり 「スーファミなのにこのBGMはすごい」「メガドライブなのにこの動きはありえない」「ドット絵 なのに表情豊か」 なんてのを現代に伝える時の差し引き条件、すなわち補正として使う場合もあります (スーファミ補正とか、メガドラ補正などと呼びます)。
ちなみに使う場合は、「スーファミの○○は神ソフト…まあ思い出補正が強すぎるかも知れないけれど」 なんて感じで使ったり、他の人が過去のゲームなどを絶賛した時に、「はいはい思い出補正思い出補正」 などと思い込みを揶揄するような感じで使います。
リメイクされたゲームをプレイして覚える違和感…思い出補正強すぎるせい?
「思い出補正」 が造語された場所や初出ははっきりしませんが、ネット 上で最初に頻繁に使われ出したのがゲーム関係の 掲示板 などで、方々で目にするようになったのは2008年春先頃でしょうか。
携帯ゲーム機 (NINTENDO-DS や PSP など) で、「FINAL FANTASY」 や 「ドラゴンクエスト」、「海腹川背」、「クロノトリガー」 など過去の名作タイトルのリメイクが2007年から2008年にかけて相次ぎ、その際に、過去に ハマ ってプレイしたオリジナルとリメイクされた DS版 などとの違い、受けた違和感などを、「思い出補正」 として語るケースが多かったようです。 その後 2ちゃんねる のあちこちの掲示板や blog などで使われ、広く認知されるようになりました。
なお、過去作品を愛するがあまり回顧や懐古のみに終始して 「昔は良かった」、「こんなのは 原作レイプ だ」 を連呼し、リメイク作やその他の最新作品などを執拗に叩いたりする場合には、それを快く思わない人から 厨房 扱いされ、「懐古厨」 などと呼ばれてしまうケースも多いようです。
「YouTube」 や 「ニコニコ動画」 などの 動画共有サイト などで気軽に過去のゲーム画面などを見ることができるようになり、おっさんホイホイ なんて言葉も前後して使われるようになっていますが、そのゲームの第一印象を受け取る自分自身もまだ当時はまだ未熟 (子供) で、作品を過大評価しがちな上に自身の懐かしい風景 (ゲームで遊ぶのを親に叱られるなど) とが合わさる 「思い出補正」 は、やっぱり最強なんでしょうね。