信じられない速度でおたくの列が突き進む 「○○サーキット」
「サーキット」 とは、主に コミケ などの大規模な 同人誌即売会 において、しばしば作られる長大な 一般参加者 の行列 (待機列) を猛スピードで捌く 同人サークル のこと、あるいはその待機列捌きの状態を指して使われる言葉です。
導線に沿って大勢の おたく が並んで突き進む姿をレース場とそこで疾走するレーシングカーに喩えたもので、とくにスピーディーな処理を行うサークルのそれは、サークル名を接頭して 「○○サーキット」 などと呼びます。
サークル側と一般参加者側の練度と協力があってこその 「サーキット」
大規模な イベント では、人気のある 大手サークル には 同人誌 を買うために大勢の人が サークルスペース に並びます。 そのままでは大混雑してしまうので、サークルスペースを 壁 に 配置 するなど 会場 の動線を塞がないよう配慮 (混雑対応) しますが、数千人を超えるような人数が並ぶと、会場の外の駐車場にまで連なる、それはそれは長い行列が作られてしまいます。
こうしたケースではサークル側の対応のスピードが大切ですが、一部のサークルではこの処理速度が異常なほど早く、また並んでいる一般参加者もしばしば よく訓練 された精鋭揃いで、無言ながら阿吽の呼吸と利害関係が一致した盤石な協力体制の元、ほとんどちょっとした競歩のようなスピード感で列消化が進むことがあります。
壁配置や非常口付近での配置では、サークルスペースの少し前に直角かUターンに近い鋭角カーブが作られますし、長い導線は右に左にヘアピンカーブが続くサーキット場のコースそのものです。 そこをレーシングカーさながらに列をなして突き進むさまは、若干の揶揄も込めつつ、やっぱりサーキットと呼ぶにふさわしい迫力? があります。 BGM はもちろん、フジテレビ系旧F1グランプリのオープニングナンバー、T-SQUARE の 「TRUTH」 がマッチするでしょう。
なおサーキットの対義語は 「牛歩」(対応が遅くてノロノロとした状態) となります。
「男津波」 や 「大海嘯」 なども
一方、最寄り駅から会場の入場待機列までの疾走とか、一般入場が開始された直後の人の波は 走り屋や男津波 と呼びます。 走るのはルールで禁止されているので、前述したサーキットと男津波とは意味も ニュアンス も異なります。
またこちらは、イナゴの大群とか雲霞の群れ、飢えたネズミの大群 (ジバシリ (地走り)、あるいは映画 「風の谷のナウシカ」 で怒り狂う王蟲の群れになぞらえ、「大海嘯」 と呼ぶこともあります。