初見者に予断を与えてしまう… 「間接ネタバレ」
「間接ネタバレ」 とは、作品の物語や展開について直接的な ネタバレ ではないけれど、それとなく先の展開が読めてしまうような間接的な情報を、未読・未視聴者の相手に対して行ってしまうことです。 「ソフトネタバレ」 と呼ぶこともあります。
典型的な例でいえば、「もうすぐ感動のシーンだよ」 とか 「次の話はちょっとびっくりするよ」「○○の好きそうな キャラ が出るよ」 といった言い方で先の展開を何となく暗示したり、ほのめかしてしまうような行為となります。 何気ないシーンに対して 「ここ、覚えといて」 などと注意喚起して、そこに何らかの伏線があるのを予感させてしまう場合もあります。 ゲーム のプレイ方法などではネタバレなのか単なる 攻略 情報なのか微妙な部分もありますが、「このキャラは育てた方がいいよ」「それは捨てない方がいい」 みたいな情報は、手探りで攻略したい人にとっては大きなお世話でしょう。
ネタバレ自体は、とくに おたく や 腐女子 の世界では 「相手の楽しみを奪う無粋な行為」 として 「避けよう」「マナー違反だ」 と認識されているケースが多いでしょう。 しかし先にその作品を楽しんでストーリーなどを知っていると、嬉しくてついつい伝えたくなったりもするものなのでしょう。
そこで 「ここまでならギリギリネタバレにはならないかも」 といった独りよがりな考えで、前述したような暗示やほのめかしをしてしまったりします。 これは相手が未見であるのを知らずについうっかりネタバレをしてしまう事故に比べると、配慮しているつもりで行っている点でより悪質な行為になるのかも知れません。
本人は 「初見の相手を思いやってギリギリネタバレにならないように配慮」 している 「つもり」 かも知れませんが、実際はそれまでの物語の流れから、「ここで感動するっていったら、あれがこうなるんだよな」「ここであれを覚えろってことは、ラストシーンであれが出てくるんだろうな」 といった予想がついたり、何らかの衝撃展開に身構えるような予断を与えて新鮮味も薄れてしまうでしょう。 伏線の 回収 や 設定 の妙などは、本人がそれに気づくから感動を覚えるのであって、前もって教えられたら興覚めもいいところです。
色々と配慮も大変ですが…
おたく・腐女子の世界では 初見さんの悲鳴 とか 新鮮な悲鳴 (初見者が物語の思いがけない衝撃の展開に思わず悲鳴を挙げること) には滋養があるなどともいいますし、ネタバレは論外として、おかしな予断が生じかねない間接ネタバレにも気を付ける方が良いかもしれません。
これは友人知人の間柄でもそうですし、ネット の 掲示板 での 実況 書き込み などでも配慮すべき点かも知れません。 そもそも余計なお世話の注意喚起は、相手の理解力を信頼していない証でもあります。