ついつい見てしまう現場の生映像 「ライブカメラ」
「ライブカメラ」 とは、もっぱら リアルタイム で映像を撮影し、ネットワーク を通じて遠隔地から視聴できるカメラ全般を指す言葉です。 テレビ番組などを含めた生放送や 生配信 全体を指して使うこともないではありませんが、一般的には建物などに設置された防犯カメラや、それ用に設置された定点カメラの撮影映像をそのまま中継するタイプのものを指すことが多いでしょう。 視聴者 はパソコンやスマホを使って視聴しますが、街の風景などを流しているライブカメラの場合、大型のディスプレイやテレビなどに表示してデジタルサイネージのように 「もう一つの窓」「環境映像」 としてインテリア的に楽しむこともあります。
ライブ の映像はストリーミング技術を用いて絶えず更新されているため、外部公開せずに自宅や店舗の防犯や業務上の遠隔監視にも利用されており、インターネット が広く普及した後は、外出中のペットの見守りなどに用いられたり、保育園などが保護者のために園内の様子を関係者だけに向けて 配信 することもあります (この場合、ホームカメラとも)。
部屋に設置された遠くが見られるもう一つの窓のような楽しみ方も
カメラの設置場所は様々ですが、外部公開されて人気があるのは観光スポットの様子や交通機関や道路の状況が分かるもの、自然の風景、建設現場、動物園や水族館、個人のペット用飼育ゲージを映しているものなどでしょうか。 専用のシステムやクライアントを使うこともありますが、2000年代以降は Youtube といった 動画サイト のライブ機能を使った配信を指すことが多いでしょう。
また定点カメラとは別に、持ち運びができる モバイル 形式のライブカメラやアクションカメラ、スマートフォン (スマホ)、車載カメラなどを使って、撮影者が移動しながらライブ配信するタイプもあります。 こちらは 「お散歩ライブ」「ライブドライブ」 みたいに呼ぶこともあります。 この場合、単に 動画 として風景を流すだけでなく、配信者による 実況 や フリートーク を音声として乗せることもあります。
一風変わったところでは、月食とか流星群がやってきた時に期間限定で配信される天体ライブとか、ロケットの打ち上げ風景とか宇宙ステーションから見た地球の様子などを配信するものでしょうか。 とくにロケットの打ち上げなどは 公式 のものの他、報道機関などが独自に行うものも多く、関係者や専門家などが解説や 雑談 をしながら配信するものもあります。
また国会や地方議会などでの議会や委員会の質疑をそのまま流しているチャンネルもあります。 こちらも議会が公式に配信しているものもあれば、メディアが行っているものもあります。 総理大臣の所信表明演説や注目される質疑などは、万単位の視聴者が集まることもあります。
遠隔地を覗く窓の他、箱庭を眺めるような楽しみも
定点カメラを用いた娯楽用の コンテンツ として配信されるものでは、人物 (個人) の 日常 の生活を部屋に設置したカメラから垂れ流すタイプのもの (垂れ流しとかだだ洩れとか、女性の 配信者 の場合はだだ洩れ女子とか) と、室内・野外問わず、人の動きや風景などをそのまま中継するタイプの大きく2種類があります。 人ではなく動物園や水族館で生き物の様子を流すこともあります。
野外を中継するタイプで人気があるのは、鉄道 の駅やその周辺、空港、高速道路といった公共交通機関などのターミナル部分や動脈部分を遠景もしくはビルの上など高所から映すものでしょう。 とくに都市部のそれは夜景も美しく、時間帯や地域や季節によっては通勤通学の 客 が激しく行きかったり街が雪景色になったりと、高層ビルから眼下の箱庭やジオラマを眺めているような楽しさがあります。
とくに人気があるのは澁谷のスクランブル交差点を頭上から中継するものや、新宿駅周辺、お台場のレインボーブリッジ、大阪の道頓堀などでしょうか。 年末年始やゴールデンウイーク、お盆といった交通機関が混雑する時期とか、花火大会のような イベント が開催される際に、新聞社やテレビ局などが定点観測用の映像をそのまま配信することもあります。
野外定点カメラの場合、あまりに高い場所や遠くからだと人や車の動きがあまりよく見えず、スチル (静止画) とさほど変わらない変化の乏しいものになりがちです。 ある程度は人や車の動きが見える視点のものが好まれるようです。 大都市の繁華街に設置され、慌ただしく人の往来があるようなものは、見ていて飽きない楽しさがあります。
災害や何らかの異常事態で現場のリアルを感じる事も
何気ない街の日常を見るのも楽しいですが、台風や地震といった自然災害、あるいは2011年3月の東日本大震災や福島第一原発事故、2020年の新型コロナ感染症の世界的流行とか、2022年2月のロシア軍によるウクライナ侵攻といった非常事態や異常事態の現地でのそれも、緊張感のある貴重な配信となって注目を集めることがあります。
台風で激しく揺れる 画面 に 「ライブカメラ頑張れ」 といった応援が コメント欄 へ 書き込ま れたり、新型コロナで人が絶えた観光地、鳴り響く空襲警報や遠くで爆煙の上がるウクライナの首都キーウ (キエフ) をはじめとする各都市のそれや現地の人々を心配する コメント などは、画面越しとはいえ時代や歴史の目撃者になったような感慨もあります。
なお2011年の福島第一原発事故では、同発電所内に設置されたライブカメラに作業員が映り込み、カメラに向かって指をさすなどの行為を行い、それが大きな話題となっています。 また新型コロナ関係関係では、密 を避ける行動が求められ、店舗などで店内の混雑状況を確認できるようにネットで中継しながら店頭に設置したモニタで店内状況を表示するケースも多く見られました。 観光地などのライブカメラで、偶然何らかの事故や事件が映り込み、それを 切り抜いた動画 が バズる こともあります。
ちなみに 筆者 もわりと環境映像的に自宅でよく視聴していて、一番のお気に入りは十勝毎日新聞チャンネルさんの 「JR帯広駅ライブカメラ」 です。 ホテル日航ノースランド帯広の屋上に設置したカメラからの映像は高さ的にジオラマ感が楽しめる良アングルですし、画面左上に向かって伸びる根室本線、右上に向かって伸びる片側二車線の西1条通りは奥行きもあっていい感じです。 たまに飛んできた鳩さんがカメラのそばに来たりもしますし、帯広駅の時刻表などを見ながらやってくる列車、とくに特急 「とかち」 なんかを眺めたりしています。
同様にインフォ新宿チャンネルさんの 「西武新宿駅 pepe前広場 交差点」 も見ていて飽きないです。 電車の本数多すぎだろとか。 西武新宿駅はあたしもよく使うので、自分が写っているのをそのうち確認したいものです。 また数百人がいつも視聴しているテレビ朝日さん (ANNnewsCH) の 「渋谷スクランブル交差点」、草津町公式チャンネルさんの 「LIVECAMERA」 草津温泉 「湯畑」 湯滝前」 もライブカメラ好きには 鉄板 で、見ていて楽しいです。





