何だかいつもピトっとくっついてくる… 「懐き」
「懐き」 とは、人や動物が誰かに対して慣れたり親しんだり受け入れたりすることです。 あれこれの経緯や事件を共に乗り越え強い結びつきが生じる、相互理解が進む、友人や恋人になるといった場合もありますが、単に傍にいることを拒否しないといっただけの関係性を指すこともあります。 懐いてくる キャラ は懐きキャラと呼んだりします。
一般に友人や恋愛関係などは、お互いに相手の人柄や考え方、好みや 趣味 なりを把握した上で生じるものでしょう。 一方で 「懐かれ」「懐く」 といった場合は、相手の人柄や考え方も分からず、そもそも本人も理由がよく分からないままでも生じるものです。 それは相手が意思疎通困難な小さな子供や動物などでも同様です。 場合によっては生物ですらない機械や道具類にすら、「特定の人物にだけは従う」 という形で 「懐き」 が表現されることもあります。 ありがちなのはそれまで誰も動かせなかったロボットとか 呪い がかけられた剣とかですね。
他の誰にも心を開かないのに、自分にだけは懐いてくれる
創作物でありがちな 「懐かれ」 は、例えば極端な不良やヤンキー、ヤクザなどのアウトロー、荒んだ 環境 で育った 無口 な孤児、あるいは メンヘラ や狂暴な モンスター、アホの子 といった、何らかの困難や 不幸 を抱えた生き辛そうなキャラ、「自分以外の全てを拒否」 するような人見知りする存在を描く中でよく見られます。 特定のキャラ (例えば 主人公 や ヒロイン) にだけ懐く、見返りを求めず一途に思いを寄せると云った関係性です。 その際、幼なじみ といった 属性 が付与されることもあります。
懐かれた方は 「他の人の話は無視するのに、私のいうことだけはちゃんと聞くのよね、あいつ」 みたいなセリフで提示され、最初は戸惑いながらも、少しずつ心を通わせ、特別な関係を築きます。 それでハッピーエンドとなれば良いのですが、しばしば最後は辛い別れとなりがちです。 ありがちなのは懐いた相手が危機に陥り、守ろうと身を挺して代わりに 死ぬ みたいな自己犠牲の パターン でしょう。
懐く理由として 「亡き家族の面影があったから」「小さい時の些細な出来事に恩義を感じているから」 などがしばしば説明として提示されますが、それが判明するのはずっと後で別れる寸前だったり、あるいは別れた後 (死に別れた後) にやっとわかるみたいな かわいそう なケースになりがちなのは切ないです。
「誰かにとって自分だけは特別」 という状況の心地よさ
誰だって、自分が誰かにとって特別な存在だと思われるのは嬉しいものです。 誰にも懐かなかった不良や子供、モンスターが自分にだけは懐き、ピンチを救ってくれる、役に立とうと必死になってくれるなどはその際たるものでしょう。 マンガ や アニメ といった創作物では、取り扱いの難しそうなキャラを魅力的に描いたり、そもそも魅力的すぎるキャラをそうでない平凡な主人公と結びつけるためにしばしばこの形の人間関係や シチュエーション を描きます。
その極端な例は、あるいは おもしれー女 などなのかも知れませんが、懐きキャラは作中の 脇役 の中ではとくに人気の高いキャラになりがちで、本命 が別にいる場合は 不憫・不遇な状況 (前述した死に別れみたいな) が起こりがちなのは切ないです。 これは一途なキャラは片思いで終わってこそはじめてその一途さが証明されるという部分もあるので、ある程度は避けがたいものでもあるのでしょう。
なお懐いてくるのが同じ不幸・薄幸 で無口・コミュ障 なキャラでも、強くて イケメン なヤンキーや可愛いメンヘラ美少女ではなく、容姿に難がある ネクラ な おたく や女おたくの場合は、懐きキャラなどと好意的に見られず単なるストーカーにされてしまいがちです。 こちらもこちらで切ないです。
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