ピックアップ仕事しない…「すり抜け」
「すり抜け」 とは、オンラインゲームにおいて、キャラクター や アイテム などを ガチャ (無償もしくは有償で行うランダムのくじ引き) や低確率のドロップで引く際に、運営側 で用意したピックアップ対象 (特定のキャラやアイテムの抽選確率を高く 設定 し出やすくなっている) の 枠 をすり抜けて、ピックアップ同等品の違うキャラやアイテムが選ばれることです。 すなわち 「ピックアップをすり抜けて来た」 という意味になります。 同等品以下のキャラやアイテムの場合は単に 「ハズレ」「ドブ」 となり、あまりすり抜けとは呼びません。
ピックアップのキャラやアイテムが確率上は出やすくなっているとはいえ、多くのゲームでレアとされるような特定キャラ・アイテムなどは元々の排出確率が極めて低く、さらにその低い確率の中で複数のレアの中から1つが選ばれる場合もあるので確率はさらに下がり、ほぼ気休め程度の効果です。 何しろ元々の排出確率が0.1%とかそれ以下になったりもするので、仮に倍にしたところで0.2%、10倍でも1%であり、数十回程度のガチャやドロップの試行回数では誤差の範囲に感じられるケースはよくあります。
またピックアップ時にわざわざガチャを回したりドロップ目当ての 周回 をするということは、当然ながらピックアップ対象のキャラやアイテムが欲しいからそうするわけで、完全にハズレやドブならともかく、ピックアップ対象レアと同等品の違うレアが出ると、惜しかったとの感情とともに印象に残りやすいこともあるのでしょう (で、完全なハズレでもないので、「流れが来てる」 とか勘違いしてさらにガチャや周回を行って 爆死 することになります…)。
「ハズレ」 や 「ドブ」 ではなく、あくまで 「すり抜け」
こうした現象はしょせんはゲームプログラムやシステムの仕様の話で、惜しいも惜しくないもなく単なる確率・偶然の話ではあります。 しかしすり抜けてきたキャラが自分の好きなキャラだったり、ちょっといいなと思っていたキャラ、以前のピックアップで取れなかった欲しいキャラだったりした場合は、本来のピックアップ対象が出なかった悔しさもどこへやら、何やら運命的なものを感じて喜びが生まれたりお気に入りのキャラやアイテムに 「昇格」 する場合もあります。 一方で嫌いだったり性能的に問題があるキャラやアイテムの場合は ヘイト (憎しみ) が生じたり、運営に対して怒りを覚えたりするケースもあります。
こうした状況は多くのガチャ・ドロップのシステムを使ったゲームの プレイヤー が感じるもののようで、新規 キャラやアイテムがガチャに実装されてピックアップが始まると、「ピックアップ仕事しない」「的確にピックアップを外す高度な謎プログラム」 などといった揶揄や怨嗟の声が、ファン が集う 掲示板 や SNS にあふれることとなります。 ネガティブ・ポジティブ、どちらの意味でも使う言葉ではありますが、単なるハズレやドブに対する怒りも内包しつつ、ネガティブな意味で使うケースが多い言葉となるでしょう。
まあどれほど鬼畜な排出率でも出る人はあっさりと出たりもするので、運がない 筆者 などは頭を抱えるばかりですが、数学を猛勉強した結果、「欲しいURが出るか出ないかは半々、すなわち確率50%」「出るまで回せば確率100%」「確実に出るならいくら使っても 実質無料」「推し は1000%、君のひとみは10000ボルト」 との結論を得て、力強く日々を過ごしています。
新規の初獲得時にのみ、特別な演出が行われるゲームでは…
なお既存・新規問わず初獲得時にのみ特別な演出が行われるガチャ・ドロップシステムだった場合、すり抜けてきたキャラやアイテムが所有済み=何の演出もないさまを、それぞれのゲームの演出・挙動にちなんだローカルな用語で表現する場合もあります。
例えばあるゲームで新規キャラなら 自己紹介 が始まってプレイヤーのクリック待ちが発生するのに対し、所持キャラだとすぐに画面が切り替わりリザルト画面 (結果表示) に至る場合などは、「ガチャが マッハ で終わった」(新規が来なかった) などと表現する場合もあります。 筆者のプレイしているあるゲームでは、部屋のふすまが開いてそうしたフローが展開されるため、手持ちキャラがだぶって出ると 「ふすまが開いて画面がすぐ閉じる」 との意味で 「フスマッハ」 なんて呼ばれています (><。)。