ローマ字入力モードで 「UP」 を打鍵すると…
「うp」 とは、「アップロード」(Upload) のことです。 書き文字なので口で喋って使ったりすることは少ない言葉なのですが、多くの場合は 「ウプ」 と読むようです。 使う場合は、「うpしました」「うpしろ」 などとなります。 狭義では 「UP」 の誤変換文字となります。
「アップロード」 の反対は 「ダウンロード」(Download) で、その略語は 「DL」 となりますが、アップロードの略語である 「UL」 は、ほとんど日本では使われませんでした。 これは 「アップロードする」 の略語による表現が 「アップする」「UPする」 になったためで、パソコン通信 の黎明期には 「DLするなら、対義語は ULになるだろ」 的な意見もかなりあったのですが、そのまま 「UPする」「アップする」 で定着することになりました。
これはひとつには、「ダウンロード」 に対して 「アップロード」 が、多くの人にとって馴染みの薄い行動だった時代が長く、言葉として頻繁に使われるようになった時期に タイムラグ があったからのようです。 ネット が普及し インターネット の時代となり、アップロードを誰でも簡単に行えるようになっていますが、一昔前までは、データのアップロードはかなり大変で (専用のデータライブラリを持たないテキスト中心のパソ通ネットなどの場合、データ類を 「ish」 などでテキストファイルにいったん変換してから 「書き込み」 の形でアップロードするなんてこともありました)、あまり使う機会がなかったこともあります。
言葉としてアップロード、ダウンロードはセットで現れましたが、言葉として頻繁に使う略語としての 「UL」 と 「DL」 はセットで使われなかった訳ですね。 ちなみに 「DLする」 を、「ダウンする」 と呼ぶ場合もあります (あまり使ってる人はいませんが)。
ウェブの時代となり、アップローダーの登場などで 「うp」 が身近な存在に
その後 「UPする」 は、誤変換当て字 や 「打鍵ミス」(打ち間違い) がそのままシャレとして使われるようになり、また日本語の文字入力でローマ字入力モードにしている人が多かったこともあって、「UP」 をそのまま 「うp」 としたパターンが草の根ネットやアングラ系のインターネット 掲示板 などで現れ頻繁に使われ、そのまま定着したようです。
なお 「アップロード」 自体の意味は、外部から誰でも参照できるよう、ネット上に開放された場所にデータを保存することをそう呼びます。 具体的には外部接続可能なサーバやパソコンなどへ、ネットワークを通じてデータを転送することとなります。
もっとも多いのは自分が 運営 する ホームページ (ウェブサイト) のデータを FTP を使ってサーバに転送したり、ブログ のエントリーに写真などを掲示するために 画像 を転送するなどでしょうか。 また アップローダー (うpロダ) と呼ばれる、誰でも ログイン などせずネット上に画像や動画、ファイルなどをアップロードするためのウェブサイトなどを利用して、ファイルをネット上にアップロードする場合もあります。
自分が欲しいファイルや有益なデータなどをアップロードしてくれた人に対しては、乙 (おつ/ お疲れ様の意) をつけて 「うp乙」「うpおつ」 といった レス をする場合もあります。
「うp乙」 から 「うぽつ」 へ
2010年代になり、ニコニコ動画といった 動画サイト の人気が高まると、動画を 投稿 した人 (投稿主・うp主) に対して、視聴者が 「うp乙」 といった意味の労いや感謝の コメント を動画冒頭に書き込むようになりましたが、「p」 が 「おつ」 の 「o」 と混ざって 「ぽ」 となり、そのまま 「うぽつ」 という一塊のフレーズとして定着することになりました。 2011年あたりからは、動画の出だしに大量の 「うぽつ」 が書き込まれるのがある種の名物ともなっています。