同じゲームでもまるで別物… 「別ゲー」
「別ゲー」 とは、「別の ゲーム だ」 との意味の言葉です。 ただし別のゲームをわざわざ別のゲームだと改めて呼ぶ必要はありませんから、一般的には 「同じゲームだけれど、まるで別のゲームのようだ」 といったケースで使われる言葉となります。 「まるで別ゲー」「完全に別ゲー」 の他、「別ゲー感」 などと表現する場合もあります。
使い方はもっぱら2種類あります。 一つは、ゲームの プレイ環境 (とくに高い 難易度 でのプレイ) が、それ以外の難易度での 環境 と著しく異なり別のゲームのように感じられる場合です。 もう一つは、プレイヤー の レベル の違いによってまるで違うゲームに感じられる場合です。 ただしそれぞれは密接な関係を当然ながら持っています。
なおごくまれなケースとして、同一タイトルのゲームが多ハード展開された際に、移植の際の調整が上手くいかず別のゲームのようになっていることを揶揄したり、物理的なプレイ環境 (ネトゲ における通信環境の違いとか、ゲームが稼働するハードウェアの性能など) の変化から生じるものの場合もあります。
「難易度設定」 による 「別ゲー」 感
ゲームによっては、プレイする際の難しさをプレイヤーが 難易度設定 によって任意に変更できるケースがあります。 その場合、同じゲームであっても イージー (簡単/ 初心者向け) と ベリーハード や アルティメット (とても難しい/ 超上級者向け) などでは、全く違うプレイ方法が求められ、ほとんど別のゲームだと感じられるほど違ってくる場合があります。
友人らとゲームの話をするのは楽しいものですが、同じゲームの話をしていても低難易度でプレイしている人と高難易度でプレイしている人とでは、しばしば話が噛み合わないこともあるでしょう。 高難易度でプレイしている人同士で 攻略法 を話し合っている場に、低難易度でプレイしている人が 「簡単じゃん」「難易度下げればよくね?」 などと口を挟んできても 「別のゲームだから」 としか言いようがないケースはよくあるものです。
また難易度が同じであっても、攻略サイトなどを見てのんびりプレイする人と、外からのヒントなどが一切ない状態で最速クリアを目指す人 (RTA など) でも、前提となるプレイスタイルが違いすぎていて、やはり同じゲームだと云えないほどに両者のゲーム体験は異なるものとなるでしょう。
プレイヤーレベルが違いすぎて生じる 「別ゲー」 感
一方、同じゲームを全く同じ前提条件でプレイしていても 「別ゲー感」 が生じることもあります。 例えば格闘ゲームなどで上級プレイヤー同士が対戦した場合などは、一般的なスキルしかない平凡なプレイヤーから見ると異次元のような高度な戦い方をしていて、「まるで別ゲーだ」 と感じるケースは多いものです。
一般人 同士のプレイではまったく問題にならないような小さな要素が勝敗を分ける決定的な分岐点となったり、そもそもゲームに対する姿勢や取り組み方が全く異なるケースも多く、ガチ勢・ランカー勢 (マニア層) と エンジョイ勢・カジュアル勢 (ライト層) のそれを、同じゲームのプレイヤーだと呼んでも良いものかとのためらいが、しばしば生じることも多いでしょう。
ゲームに限らずスポーツでも芸術の分野でも何でもそうですが、簡単に見える表面的な部分と熟練者にのみ見える奥深い部分とで、二重構造・常識の分断が生じているケースは多々あります。 こうした様々なものに宿る二面性は、何かに熱中するなり極めるなりしないと見えてこないどころか想像すらできないケースが多いものですが、それが子供の目にもある程度はっきりわかるのが、ゲームという簡単に見えて敷居は低いけれど高みや奥深さは無限大の複合的文化が持つ凄みかもしれません。
そしてそれは、最終的にはゲームがどうこうというレベルを超え、スポーツや武術と同じく、極限状態におけるプレイヤー同士のギリギリのメンタルや身体能力のぶつけ合いにもなるでしょう。 たかがゲーム、されどゲームです。