先を目指して毎日コツコツ 「盆栽ゲー」
「盆栽ゲー」 とは、盆栽のようにゆっくりじっくりと時間をかけてプレイするような ゲーム、終わりがないようなゲームを指す言葉です。 毎日少しずつコツコツやるゲーム、日々の積み重ねが必要なゲームということになります。 別の言い方をすると、短期間に集中してプレイしても、大金を 課金 して一気に戦力を 整え ようとしても、それほど大幅な戦力強化や成長が難しい近道のないゲーム、一方でちゃんと時間を掛けたら掛けただけ強くなるゲームだとの意味でもあります。
またソーシャル系ゲームの多くにスタミナ制があり、1日のプレイ量に制限がかかっているケースがあります。 課金によってスタミナを買うなどしてある程度はそれを突破できますが、基本的には少ないスタミナやゲームマネーなどの資産をやりくりし、チマチマと進めるのが面白いというゲームとなります。
ただし相当程度の作業量や課金に対して報酬や変化量や密度が単に少ないだけ、渋いだけという場合もあり、判断は微妙です。 長期運営中のゲームならともかく、サービス開始から渋すぎては、やる気もなくなり プレイヤー も定着しないでしょう (まぁ課金で変化がありすぎるのも、それはそれで課金圧が高すぎて、一部の重課金者優遇ぽくてあれですが)。 盆栽ゲーなる呼び名は、ある意味長期運営できた人気ゲーム特有の、ファン や ガチ勢 による ポジティブ な呼び方だと云えるかもしれません。
計画を練り、数か月・数年単位で戦力を整える
一般に園芸としての盆栽の成長や手入れは、その時点での形を作るためのものではありません。 数か月後、あるいは数年後のあるべき形を頭に描いて、そのための手入れや準備を行うものとなります。 成長を日々の観察から見て取ることはほとんどできず、長い年月をかけて少しずつ少しずつ成長するのを見守りますが、気が付けば昔と比べると大きく変わっていたりもする存在となります。 また限られたスペースや制限の中でどれだけ工夫して飛躍させるかといった部分も魅力のひとつでしょう。
盆栽ゲーもこれと同じように、今ではなく数か月後のプレイングを予想してそれに備える遊び方や攻略が必要でしょう。 今すぐには必要ないけれど、いざ必要になった時に困らないように先を見て戦力を準備するわけですね。 とくに現時点 (環境) ではさほど有用ではない、あるいはゴミや 産廃 扱いされるような キャラ や 装備品 でも、入手手段が限られている場合はしっかり獲得し、「万が一」 に備える攻略が必要でしょう。 環境次第でゴミが 人権 や おりゅ品 になることもあるからです。
また単純に戦力が極めて増強しにくいゲームシステムとなっていて、少しずつしか進められないといったケースもあります。 例えばあるキャラや武器などを強化しようとしても、その強化のための アイテム が数か月に一度の イベント でほんの少ししか配布されず、完全強化済みにするのに年単位の年月がかかるようなものもあります。 こうした制限をいかに工夫して戦力にするかも、プレイヤーの腕の見せどころでしょう。
運営が長期に及ぶゲームは盆栽化しがち
ゲーム、とくに オンライン で遊ぶ ネトゲ の多くは、人気があり 運営 の継続ができる収益がある限りはおおむねサービスが続きます。 それはしばしば5年や10年を超えるほどの長期に及ぶこともあります。 そこまで長く続くと初期からのプレイヤーはある程度完成した必要十分な戦力資産を形成していて追加の課金には慎重になってしまうでしょう。 別に新たな戦力増強を試みなくても、手持ちの戦力で難なくクリアできてしまうからです。
それではと新要素を次々に追加して課金次第で無限に強くなれるようにしたら、今度は強さのインフレ (ドラゴンボール現象) が生じて全体のバランスも崩れます。 それを持ち直そうと強くなり過ぎた キャラ や 装備品 などの使用制限や能力の 下方修正 (ナーフ) をすると、古くからの ファン が離脱してしまう原因にもなるでしょう。 せっかく苦労して作った戦力資産が無効化されるのでこれは当然です。 また純粋に課金疲れとも云われる状況に陥ってしまい、古参 は減る一方で 新規 も寄りつかないような状態で オワコン化 からサービス終了に至る場合もあります。
このようなケースでは、盆栽ゲーム化はゲームの寿命を残しつつ、やり込み要素によって継続的なやりがいをプレイヤーに与える優れた方法とみなされるようです。 一方で、後から参加した後続プレイヤーとか、何らかの事情で一度離れて戻ってきた復帰勢は継続プレイの古参に追いつくことが極めて困難、あるいは不可能であり、新規プレイヤーや復帰勢の流入が期待できないというデメリットもあります。
長期に渡って続くゲームなどは、時代による陳腐化は避けられませんし、それでもプレイヤーをつなぎとめるためには、様々な工夫が必要です。 サービス開始時期は、ちょっとしたプレイでも大きく変化をつけてモチベーションを高めて離脱を防ぐ必要があるでしょうし、サービス継続期、そして末期あるいはサービス終了までは、それまでプレイし続けているプレイヤーの 「習慣」 を壊すような大きすぎる変化は禁物でしょう。 それぞれのステージごとにプレイヤーが求める楽しみを手を変え品を変え提供し続ける姿勢が大切なのでしょう。