文字フォントが大きくなったり色が変わったり動いたり…
「フォントいじり系」 とは、主に個人が運営する文章 (テキスト) をメインとする ホームページ (テキストサイト/ テキサイ/ 読み物系) において、文字フォントを HTML の タグ などを使ってあれこれと変化・装飾するタイプの表現方法、それによって作成された ネット コンテンツ を指す言葉です。 「フォント芸」 と呼ぶこともあります。
テキストサイトにフォントいじりがされたものが多かったこと、内容的にはおおむね 「おもしろい ネタ」「おたく なネタ」「ネット的な文脈に沿った ミーム」「身内ネタ」「自虐ネタ」 がほとんどであり (その他目立ったものではホラー系とか解説系とか クソゲー・バカゲー とか)、実質的にある時期に流行したテキストサイトそのものを指す言葉としても 認知 されています。
またテキストがメインながらもちょっとした 画像 (とくにアニメGIF を使った動く画像など) を要所に配置したり、マーキー (<MARQUEE> タグを用いて、文字が上下左右に動いたりする) を使うなど、動的要素が含まれることもあります。 この他、対話風フリートーク (架空対談/ アニメ の キャラ などが2人か3人で対話しているような形) などと複合することもあります。
ネタのジャンルや細かい文章の傾向はサイトによってもちろん異なりますが、ネタ特化型の場合、おおむね 「おバカ」「ナンセンス」「シュール」「非モテ・自虐・痛いやつ」「面白ネタ発掘」 などであり、それらをさらっと読める軽いタッチで書いたものとなります。
テキストサイトで注目を集める 「フォントいじり」
テキストサイトの発生については様々な考え方がありますが、基本的には雑文や日記と云った、それ以前からアナログの世界でも見られていた 字書き の文化の 電子化 であり、日本では インターネット ブーム初期の日記サイトの登場や、それらを集めてまとめる登録型のウェブ日記リンク集や情報サイトなどによって徐々に浸透します。
当初はサイト運営者の日々の雑記だったり、気になったニュースへの論評、アニメや ゲーム などの紹介や感想や考察、攻略方法の解説、自分語り や 萌え語り が混ざり合ったものが多かったのですが (同じサイト内で イラスト を展示したり、自前で 掲示板 や チャット、リンク集を持ったり)、その後それぞれの得意分野に特化した活動を行うようになります。
ある 運営者 はニュースに特化し、その後個人ニュースサイトとか、それらをまとめたニュース羅列系と呼ばれる、ひたすら特定のジャンルや興味関心に基づくニュースのヘッドラインとニュース記事へのリンク (場合によっては短いコメント) を並べるスタイルに移行したり、ある運営者は面白ネタに特化し、ひたすら運営者が考えたネタを披露するサイトへと移行します。
このうち文字に特化したのがテキストサイトであり、登録型リンク集のアクセスランキングによる 「サイトの人気の可視化」「序列」 が行われ盛り上がる中、俗に 「大手サイト」 と呼ばれる巨大人気テキストサイトも登場。 それらにフォントいじりがされたものが多かったことから、こう呼ばれるようになったのでした。
なおこの時代の代表的なテキストサイトといえば、「“FUNNY” GAMER’S HEAVEN」「ろじっくぱらだいす」「侍魂」 など数え上げればきりがありませんが、インターネット黎明期に短期間に数千万から億に達するアクセスを集め、大きな影響力と存在感を持つようになっています。 一方で、前述したサイト人気の可視化や序列化によるアクセス至上主義の蔓延とアクセスアップ術への傾倒、面白ネタのパクリパクられや、それらと無関係ではないテキストサイト論の流行 (優れた批評がありつつも、個人的な好みや私怨に満ちた誹謗中傷もあったり) などなど、人が集まるだけに様々なハレーションを巻き起こします。
その後こうした 「面白ネタ」 は 2ちゃんねる といった掲示板に集積されるようになったり、その後は ブログ、さらには SNS や 動画サイト へと舞台を移していきますが、それぞれの頂点部分の文化的な連続性はかなりはっきりと持っており、「あの ネット用語 の 元ネタ はあのサイトのあれか」 みたいな温故知新が色々とあるのは面白いです。
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