自分の好きを知られたくない…! 「隠れファン」
「隠れファン」 とは、特定の 作品 やアイドルなどの芸能人やアーティスト、スポーツチームなどに対して心惹かれていても、表面上はそうでないように振る舞う ファン のことです。 覆面ファンと呼ぶこともあります。
ありがちなのは、周囲の友人や同僚などがその対象に興味関心がなかったり好んでいないことが明白な場合に、恥かしさや気まずさからファンであることを隠してしまうケースでしょう。 思春期の頃は周囲の目がとても気になりますし、とくに おたく っぽい作品や年齢的にそぐわない子供っぽい作品、男性なのに女性っぽい 趣味 とか女性なのに男性っぽい趣味だったり、あまりに ニッチ な対象に関しては隠す行為がよく見られがちです。 どうせ口にしても理解してもらえないし、言うだけ無駄だと云う訳です。
また 「自分の好き」 を知られると、他人に自分の内心を知られた気になったり、もし友人らからそれを否定されたりからかわれたりするとショックが大きい場合には、より積極的に隠す行為になりがちでしょう。 意に反して好きではないと公言したり、周囲に合わせて アンチ を装い嫌いアピールをしたり。 場合によってはカモフラージュ用に無難な対象を好きだと云ってみることすらあります。 そしてそのことで 「何であんな悪口を言ったんだろう」「友達に嘘をついてしまった」 と自己嫌悪したり後悔したりもします。 親しい友人と好きを 共有 できないのは寂しいものです。
周囲に合わせ、好きな対象の悪口をついしゃべって自己嫌悪…
こうした傾向はおおむね誰でも少なからず持つもので、あまり時代を選ばない感情ではありますが、1989年の幼女連続誘拐殺人事件を発端に生じた 「おたくバッシング」 が吹き荒れた時代には、とくに深刻なものとなっていました。 大手メディアもいい年をした人間が マンガ や アニメ にうつつを抜かすのは異常だみたいに報道していましたし、おたバレ でもしようものなら いじめ に遭う可能性すらありました。
当時はまだ ネット も普及しておらず、同じ趣味の人たちが匿名や ハンドル で集い 萌え語り ができる場もありませんでした。 とりわけ 「学校の人間関係が全て」 みたいな中学生や高校生あたりだと、強い孤独に包まれていたと述べるその世代の人間は少なくない印象です。
その後はネットが普及し、掲示板 や個人の ホームページ、SNS などで、匿名で同じ趣味の者が集まって語り合ったり情報交換もできるようになりました。 またおたくや 腐女子 と名乗っても、昔ほど迫害を受けたり、受けるかもしれないと恐怖を感じる 雰囲気 もなくなってきています。 好きな対象への情熱を秘めつつ、それを周囲に見せない苦労が減るのは精神衛生上も健全だと云えるでしょう。
もっとも、あまりに 変態的 な 性癖 や マイナー 過ぎる趣味は、やっぱり口にはしづらいものですし、ある程度年齢を重ねて開き直れるようになるまでは、こうした複雑な感情はなくならないものでもあるのでしょう。
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