衣は立派だけど中身はしょぼい 「天ぷら本」
「天ぷら」 あるいは 「天ぷら本」(テンプラ/ テンプラ本) とは、同人 の世界で 表紙 など外見だけが立派で中身がしょぼい 同人誌 を揶揄する言葉です。 料理の天ぷらで、衣ばかり大きくて肝心の ネタ (例えば海老天の海老) が小さかったり粗末だったりするのを当てはめた言葉で、そのまんまの意味となる 「表紙詐欺」 あるいは 「表紙マジック」 と呼ぶこともあります。
とはいえ、同人誌を創る サークル の側でも、別に 騙そう として表紙ばかり立派にしているわけではありません。 絵 のクオリティにしても、しばしばフルカラーで 印刷 され作品の顔でもある表紙は格別に力を入れて描きたくなるものですし、上手に描けた絵を選ぶのも当然の話ではあります。
もっとも よろず本 で 本文 部分に一切登場しない キャラ を表紙にするとか、個人誌 ならともかく アンソロジー本 や 合同誌 などで本文にほとんど作品がない人気の 絵師 のイラスト を使うなどは、さすがに購入した方が 「騙された」「詐欺だ」 と思っても仕方がない部分はあります。
頒布 した後の トラブル を避けるため、表紙に有名絵師を用いた同人誌で本文にその絵師の マンガ などがなかったり少ない場合には、「本文に○○先生のマンガはありません」「○○先生のマンガは3Pです」 といった注意書きを同人誌の上に置いたり スペース に掲示している場合もあります。 アンソロジー本や合同誌の他、SS といった文章主体の同人誌で表紙イラストだけ他の人に描いてもらった場合などにもよく見かける表示です。
「天丼」 の場合は…
なお天ぷらをご飯に載せたどんぶり飯を一般に 天丼 と呼びますが、おたく用語 や 同人用語 では、お笑いの世界で使うそれを 元ネタ として、「同じような展開が何度も続く物語」 を指して使います。 これは天丼には一般的に海老天が2本載っていることから、お笑い用語で同じネタやギャグを何度も続けることを天丼と呼ぶからです。 この場合は、ここで云う 「天ぷら」 とは何の関係もありません。