大手サークルの山のふもとにある我がスペース、これぞまさに 「谷配置」
「谷配置」 あるいは 「谷」 とは、同人イベント などに サークル が 参加 して 会場 に スペース が 配置 される際、頒布 (購入) を希望する 一般参加者 が大勢やってきて長い 待機列 が生じる可能性がある場合に、行列ができそうなサークルとそうでない 地味 なサークルとを交互に挟むように配置することです。 行列ができるサークルが隣り合ったり固まったりすると大混雑が生じる可能性があるので、これを防ぐための 混雑対応 (混対) として行われます。 クッション配置・緩衝材、あるいはモーセの十戒 (人波を分断しているように見えることから) と呼ぶこともあります。
一方、配置側の混対として行われるある程度意図的な谷ではなく、偶然に谷が生じることもあります。 例えば自分のスペースの両隣にたまたま人気のあるサークルが配置されて長い待機列ができ、しかし自分のスペース前だけ誰もいない、誰も来ないといった状況です。 こうした場合も本人が 自虐的 に 「谷になった」 みたいに表現することもあります。 同じ地形つながりで 「盆地」 と呼ぶこともあります。
自分のところだけ誰も来ない…居たたまれなくなる気分
一般的にそれなりの規模の同人イベントでは、サークル参加の申し込みをしてきたサークルの ジャンル や過去の参加実績 (主に 頒布数) を参考に、人が集まりそうなサークルが固まらないよう分散させたり、一部の人が殺到するサークルを 壁 や非常口など外部に列を逃がしやすい場所に配置するなどの配慮をします。
なので原則的に同じような場所に配置されたサークルに極端な訪問者数の差はでないようにしますが、それでも突発的に特定のサークルの注目度が上がったり、タイミングによって両隣が行列で自分のところだけ人がゼロ (たまご) なことも起こったりします。 別の行列のあるなしや人気のあるなしが同人イベント参加の価値や意義ではないにしろ、やっぱりこれはちょっと切ないというか、居たたまれないと感じる参加者も少なくないようです。
なお似たようなことは コスプレ でも生じます。 コスプレイヤー が集うコスプレ広場などでは、写真撮影のために カメコ の順番待ち列ができますが、ここでも長い行列ができるレイヤーさんもいれば、誰も並ばずに手持無沙汰なレイヤーさんもいます。 極端に行列が伸びた場合、列切り (いったん行列に並ぶのを止める) をしたり囲み撮影 (レイヤーさんを中心にカメコが周囲を取り囲んで同時に撮影する) に移行したりしますが、そこまで至らない場合は、厳然とした人気のあるなしが可視化されてしまったりします。
繰り返しになりますが、列のあるなしなどは イベント へ参加する意義や評価とはまったく関係ありませんし、またごく一部の飛びぬけて人気や知名度のある 大手サークル やレイヤーを除けば、その他で列のあるなしが生じるのは偶然やタイミングに過ぎない部分が大きいものです。 それでもやっぱり 「自分のところだけずっと人がない」 というのは人によってはかなりメンタルに来るものがあるので、気にし過ぎないようにするようにしましょう。 まぁ実際、本人が思ってるほど周囲は列のあるなしなど気にしてはいませんし。
もし自分のサークルが偶然 「山」 になったら
一方で、周囲のサークルに人がいなくて自分のところだけ列ができている…すなわち 「山」 みたいな状況になったら、可能な範囲で周囲に対する配慮を心がけるようにしましょう。 つい対応に焦ったり、あるいは舞い上がったりして、「隣は人が誰もいないから、ちょっとはみ出してもいいよね」 みたいな対応をすると、相手側の被害妄想を刺激し、ことさらに 雰囲気 を悪化させる可能性があります。 とくにこちらがそれなりに 古参 で、隣が初参加や 新参 だったりすると、机の上に並べる本の種類や数も違ったりして、つい隣に本がはみ出したりしがちです (侵略)。 このあたりはかなり強く意識的に心がけるのが良いと思います。
ジャンルにもよりますが、何年か継続してイベントに参加するつもりなら、隣り合ったサークルと今後もどこかで顔を合わせる機会があるものです。 同じような場所に配置されるからには 趣味 や 性癖 が近い人が多いですし、もしかしたらちょっとしたきっかけで大切な友人や同人仲間になる可能性もある相手です。 あまりに度が過ぎる対応にいつまでも我慢してまで配慮する必要はありませんが、些細な行き違いで険悪な関係になるのは本当につまらないことです。