趣味に生きるおたくの存在証明…「オタ活」
「オタ活」(おた活) とは、おたく としての 趣味・娯楽活動といった意味の言葉です。 ただし 「おたく活動」 という言葉の純粋な略語と云うよりは、就活 (就職活動) から派生した婚活 (結婚 活動) や 終活 (人生の終わりのための活動) といった 「〇〇活」 のバリエーションの一つといった方が相応しいでしょう。
具体的なオタ活の内容としては、単に マンガ や ラノベ を読む、アニメ を観る、ゲーム をする、ネット で情報を収集したり発信したり応援するといった日常の延長線上のものから、ライブやコンサートなどの イベント で 現場 に行く、嫁 や 推し の グッズ を買う、遠征 して 聖地・舞台 を訪れるといったある程度まとまったお金や時間がかかるものまで、その内容は多岐に渡ります。
また一般におたくが好むとされる鉄道関係や ミリタリー、模型といったホビー関係、同人 などの物づくりや作品創りなども当然含まれます。 さらに友人や仲間と 萌え語り をするのはもちろん、非おたくな 一般人 をこちらの世界に誘う、自分が好きな ジャンル へと 布教 を試みるなども、重要なオタ活のひとつとなるでしょう。 とりわけ推しを応援する、推しの活躍を楽しむというのはオタ活において最重要で核心部分でもあるため、とくにその傾向が強いオタ活を 「推し活」(あるいは 「推し事」) と呼ぶこともあります。
生活の営みとオタ活をどうバランスさせるかが難しい…
いくら趣味に生きるとしても、人間として生きていくために食事や睡眠、風呂、及び学生なら通学や勉強、社会人なら仕事といった一般的な生活時間は必要です。 1日は24時間しかありませんから、趣味や娯楽に費やせる時間は限られています。 日々の生活を成り立たせた上でどう自由時間を捻出できるかが何かと忙しい現代人の重要課題ですから、これら生活のための営みとオタ活との時間のせめぎ合いが、この言葉というか 概念 の本質なのでしょう。
同じおたくや 腐女子 同士であっても、好きな コンテンツ やジャンル・カテゴリ が異なれば、日々のオタ活の内容や基準となる活動の時間軸も異なってきます。 例えば特定のジャンルのファン同士何人かでライブやイベントなどへ行ったとして、それぞれが ネトゲ などもやっていれば、一緒にいる時でもゲームのための時間を設ける場合があります。 ログインボーナスやデイリーミッション、スタミナといったゲーム消化の時間を示し合わせて取ったりするのですね。
一般に誰かと出かけている時に相手を 無視 してスマホを取り出しゲームに興じるなどはどうかという 雰囲気 もありますが、そこは同じおたく・腐女子同士、互いのオタ活を尊重し邪魔をしないのがある種の不文律でもあるのでしょう。 「わかっている者同士」 では、阿吽の呼吸が取れるものです。 逆に云えば、さほど親しくもない顔見知り程度の一般人相手の付き合い程度のコミュニケーションとか、行きたくもない会社の飲み会への参加などは、オタ活を邪魔する存在でしかないと考える人も多くなっています。
友人が多くリアル生活が充実していることを リア充 と呼びますが、オタ活が充実した状態は オタ充 と呼びます。 一昔前は友人がいないからマンガやアニメに逃げてるなどと悪しざまに云われることが多かったおたく趣味ですが、価値観が多様化する中、多少の 自虐的 な ニュアンス はありつつも、様々なライフスタイルが平等に扱われるのは良いことでしょう。