たった1時間、60分勝負で描く! 「ワンアワードローイング」
「ワンアワードローイング」(one hour drawing) あるいはワンドロ、ワンドロ絵とは、ワンアワー (一時間) でドローイングした (描いた) イラスト という意味で、短時間にさらっと描いた 絵、早描き絵を指します。 「1時間お絵描き勝負」 や 「60分一発勝負」 といった云いまわしになることもあります。 主に SNS などに 投稿 されるイラストの カテゴリ として使われ、ハッシュタグ などを使って紹介されることが多いでしょう。
パソコンやスマホ、タブレット などを使って描かれるデジタル絵が大半で、絵師 さんの技量やテクニックによっても異なりますが、「これがたった一時間で描けるのか」 といった驚きの完成度の作品も少なくなく、うっかり見ると自信喪失するのが請け合いだったりもします。 一方で、日ごろはしっかり描いた本気絵しか アップ しないようなプロ絵師や画力おばけな人のワンドロの場合、そつなくまとまってはいてもいつもの本気絵とは違う荒削りの部分とか作業の痕跡などが残っていたりして、作画工程を知ることができたり結構勉強にもなったりします。
テーマ や共通する モチーフ などは誰かが お題 として出してそれが広がることもあれば、自然に定まってくる場合、あるいは著名な絵師が音頭を取り、定番・定期ネタ として浸透している場合もあります。 様々な絵描きさんの素描に近いような絵をまとめて見ることができる機会でもあります。 まぁ本当に筆が速い人の絵は、上手い上に完成度も高くてあまり参考にならなかったりもしますが、好きな絵師さんのそれを見過ごすのはもったいないでしょう。
紙に描くアナログな絵の場合も筆が速い人とそうでない人との差はすごいものがありますし、学校の漫研などで画力向上のための練習として行われたり、肉筆回覧誌 でも類似の企画などは昔からあります。 ネット時代のデジタル絵の場合は本人の技術はもちろん、長年使い込んで最適化されたお絵かきソフトの機能、片手デバイス などの機材、カスタマイズした使いまわせる省力化のための作画資産などもあり、ノウハウの差もかなり大きなものですし、それだけにノウハウを知ると自身の作画にもとても有益なものとなるでしょう。
あまりに完成度が高くて 「本当に1時間で描いたのか?」 みたいな疑惑が生じることもないではありませんし、もし1時間をオーバーしたならその旨きちんと自己申告すべきだと思いますが、ともあれひとくくりの お題絵 として見比べる面白いアイデアだと云えるでしょう。
ゲーム用語としての 「ワンドロ」
なお同じ 「ワンドロ」 でも ゲーム の言葉としては、もっぱら 「ワンドロップ」 の略として使われるケースが多いでしょう。 倒した敵が 装備品 や アイテム、あるいは キャラ などを落とす (ドロップ) ゲームで、望みのものが一発でドロップしたといった意味で使われますが、ガチャ の場合のワン引き (1発で引けた) でも使われることがあります。 類似の言葉には1発ツモ (麻雀においてリーチをかけたあとに上がり牌を一巡目で ツモ (自引き) すること) があります。