同人用語の基礎知識

長寿ジャンル

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あなたの本を最初に手にしたのは晴海でしたな… 「長寿ジャンル」

 「長寿ジャンル」 あるいは 「長期ジャンル」 とは、ある程度以上の人気と存在感が長期に渡って続く ジャンル のことです。 「安泰ジャンル」 とか 「安定」「定番」 と呼ぶこともあります。

 ここでいうジャンルとは、主に 二次創作ファンアート としてのジャンル、あるいは 同人イベント におけるジャンル (ジャンルコード) を指し、直接的には特定の マンガアニメゲーム といった コンテンツ のタイトルや、そこに登場する キャラ、あるいはそのキャラの組み合わせである カップリング を指します。

 長寿・長期と云っても厳密な定義が存在するわけではありませんが、栄枯盛衰が激しい エンタメ の世界で10年以上も続くジャンルは堂々の長寿・長期と呼んで良いでしょう。 人やジャンルによっては5年程度でそうだとする場合もあります。 対義語は短命・短期ジャンルですが、ほとんどのジャンルが仮にピーク時に凄まじい人気を得ていても数年であっさりと衰退してしまうため、あまり使うことはないでしょう。 一般的には 「一発屋ジャンル」 みたいな云い方が多いかもしれません。 花火のように一発ドカンと当たっても、すぐに消えてその後が続かない儚いジャンルという意味になります。

中手・中堅サークルの層が分厚いと長寿ジャンルになりがちかも

 特定の二次創作ジャンルが長寿・長期に渡って続くためには、様々な要因があります。 まず元作品が長期に渡って存続しているかどうかは、当たり前ながら大きなポイントでしょう。

 マンガやアニメなら何年も連載や放映がされている、ゲームなら続編が次々に創られるとか ネットワークゲーム運営 が続いているなどです。 ナマモノ の場合は、対象となるタレントの人気や活動が続いていることも大きな要因でしょう。 コンテンツ自体が 「生きている」 ことが重要なのですね。 生きていれば新しい要素、すなわち二次創作のための 燃料 が常に 供給 されているわけですし、逆説的に云えば、ファン から強い支持を得ているからこそずっと続けられるとも云えます。

 一方、公式 の供給が途絶えてしまっても、コミケ などの 同人 の場では熱心なファンらの手によって営々と活動が続き、ジャンルとして生き残るケースもあります。 作品自体に人気やコンテンツとしての力があるのは大前提ですが、二次創作を行う 同人作家作者 らに実力派が揃っていれば、コンテンツとしては閉じて しまって 新規 のファンがあまり入ってこなくても、その内部では根強くしぶとくコアなファンが生き残り、ジャンルの火を灯し続けられるという訳です。

 サークルの人気や活動の活発さなどで 大手中手小手ピコ底辺 といった区分をすることがありますが、中心となる大手がいくつかいて、場を盛り上げる中手の裾野が広く豊かだと、ジャンルとしての寿命が伸びやすいかもしれません。 同人の場は作品発表の場であると同時に同好の士が集うコミュニティでもあるので、ジャンル内の人たちの橋渡しをするサークルが重要になるからです。

 いくら長寿と云っても徐々には衰退し、メジャーなジャンルから マイナー へと衰退はしますが、時を隔ててマンガがアニメ化したりアニメがリメイクされるなどした場合、これらのジャンル参加者が温めてきたフィールドが一気に活性化するとともに、ジャンル内の新陳代謝や若返りが生じることもあります。 この場合、古参 と新参との間で世代間の軋轢が生じることもありますが、逆に若いファンが 支えてくれてありがとう といった謝意を古参に感じるなど、ほのぼのとした 雰囲気 になることもあります。 このあたりも、どんな人柄の中手・中堅サークルがいるかによって変わってくるでしょう。

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(同人用語の基礎知識/ うっ!/ 2000年4月6日)
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