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恥ずかしい黒歴史だけれど、なぜか捨てられない… 「創作ノート」

 「創作ノート」 とは、おたく腐女子 が小学生から思春期頃にかけて作り始めてしまう、謎の呪物です。 個人的につけるノートと云うと日記が代表的ですが、創作ノートの場合、稚拙な技術で描かれた マンガ妄想 じみた小説 (SS) やポエム、自分で作った謎の オリキャラ やその 設定、自分の好きな既存作品の初歩的な 二次創作萌え語り など、その当時の煩悩や 痛さ の全てが詰まったようなノートとなります。

 創作活動が 趣味 の範囲に留まるにせよ 商業 で活躍するプロにせよ、絵描き字書き なら、あるいはうちのようなサイトを読んでいるような人なら、おおむね100割の確率で子供の頃にせっせと作っていたものだと云えるでしょう。 創作者・活動者 としての出発点のひとつでもあり、中二病邪気眼 を発症している頃に作られることから、中二病ノートや邪気眼ノートと呼んだり、後に 黒歴史 となってしまって、そのまま黒歴史ノートと呼ぶこともあります (単なるネタ帳の場合もあります)。

 なお女の子の場合、なかよし の友人と創作ノートを交換したり回す場合もあります。 これらは日記などでも良く行われますが、交換や回す用と門外不出の自分専用のものと2つを同時に作っている場合もあります。 本当に価値があるのは、門外不出の方でしょう。

ある意味、日記以上に自分の全てをさらけ出す内容に

 外向けや仲間内で回す 同人誌肉筆回覧誌 などと違い、日記同様に門外不出・自分だけの秘めたノートであり、描いている時はついつい没頭しがちなものでしょう。 一方で他人に見られたり年月を経て自分で見た時の殺傷力は極めて強力で、後に引っ越しやら部屋の片付けやらで発見しようものなら、懐かしさより先に 「あああああああ」 になってしまうようです。

 後年に見て殺傷力が強くなりがちなのは、稚拙な技術もさることながら、夢見がちに嬉々として創作ノートを綴っていた時の幼稚で不遜な思考、自己顕示欲承認欲求 が露骨で、あまりに 脳内 が駄々洩れしているからでしょう。 単に下手くそな イラスト や面白くもない物語、あるいは 性癖 が漏れる エロ な内容だけなら、そこまでの殺傷力は生じません。

 筆者 も身に覚えがあるのでわかりますが、単に痛い設定のオリキャラだけだと、それほど羞恥は感じないんですよね。 とくに 同人活動 を行ったり ネット の時代となって 「同じような連中はだいたい子供の頃に同じようなことをやっていたよね」 みたいな感覚が 共有 できているので、「自分だけが変だった」 という恥ずかしみはないですし。 ただそこに、度を超す自己顕示欲や承認欲求が見られると、やっぱり自分の内面を全て見透かされてしまうような感じがして、いたたまれなく感じられたりもします。

 個人的に ヤバイ のは、自分が人気作家になった時に困らないようにサインを作ったり、オリキャラが活躍する アニメ が作られた時用のテーマソングやオープニング曲の作詞とかですかね。 オリキャラの設定時点でかなり痛いのに、よくわからない謎の アニソン の作詞とか、即死効果が高すぎます。

 あたしも何度か引っ越しやライフステージの変化などで身の回りの品は処分などもしていますが、創作ノートは捨てきれず、押入れの奥にひっそりと残っています。 捨てる踏ん切りがつかないだけで保存したいわけでもないのですが、ノートのような紙媒体だと知らない間に消えているといった状況にはならず、いっそ 電子化 しようかと思ったこともあります。 多分自分以外でこれを目撃するのは、あたしが天国に召された後の家族だと思いますが、どうか見なかったことにして燃やしてください…。

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(同人用語の基礎知識/ うっ!/ 2003年11月12日)
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