最強戦闘集団がやってくる…「◯◯が来るぞ〜\(^o^)/」
「◯◯が来るぞ〜」 とは、「(このままでは、いずれ) 何か恐ろしい物がやってくる」…という ニュアンス を込めながら、ネット の 掲示場 2ちゃんねる などで他の参加者を 煽る ために レス で使ったり、ネタ として盛り上げるような使い方をする言葉です。
例えばニュース系の掲示板でゲームハードの話をしていると 「ゲハ民が来るぞ〜」(ゲームハード板の住人が来るぞ) になりますし、アニメ の話題なら 「アニオタ が来るぞ〜」 に、皇室の皇太子妃ネタや特定芸能人ネタなら 「鬼女 が来るぞ〜」、韓国の話題なら 「ネトウヨが来るぞ〜」、電波 な人の多い板なら 「荒らし が来るぞ〜」 といった感じになります。 また語尾に 「\(^o^)/」(オワタ) の 顔文字 がつくこともあります。 例えば 「鬼女が来るぞ〜\(^o^)/」 といった感じです。 実際にそういう人達がやってきて場が荒れた場合は、巣に帰れ などと批判することが多いかもしれません。
掲示板から動画サイトへ… 「フェミが来るぞ〜」
2017年頃から 動画サイト Youtube を中心に Vtuber が盛り上がりますが、その後のいくつかのジェンダーに関する問題で生じた 炎上騒動 や トラブル などにより、フェミニストを冷やかす文脈で 「フェミが来るぞ」 とか 「あっ」「それは」 みたいな捻った使われ方をする場合もあります。
使われるようになった発端の事件はいくつかありますが、Vtuber 関連の大きなものとしては、Vtuber ブームの中心的存在であるキズナアイさんが NHK のノーベル賞解説サイト (「ノーベル賞 まるわかり授業) に起用されたこと (2018年10月) に対して、自称フェミニストがおよそ見当違いの批判 (性的過ぎるとかマンスプレイニング (女性が聞き役となって男性が教え導く) だとかジェンダーロール (性的役割や規範) の押しつけだとか) を殺到させて批判された事件があります。
また千葉県松戸市のご当地 Vtuber、戸定梨香さんが千葉県警の交通安全啓発キャンペーン動画に起用されたこと (2021年7月) に対しては、フェミニスト議員連盟が 「性的で不適切だ」「性犯罪を誘発する」 などと声明を発して批判。 こちらはフェミニスト議連側の事実関係に基づかない著しく偏った主張に対する大規模な反対・撤回署名や公開質問も行われました。
かねてから自称フェミニスト (攻撃的な物言いで過激な主張ばかり行うネットフェミとかツイフェミとか) が、アニメや マンガ、萌え っぽく見える表現などに対して批判を繰り返しては炎上していたことから、Vtuber 関連動画や配信でちょっとエッチに見えなくもない話題が出た時には、ネタとして使われることがすっかり定着しています。
「◯◯が来るぞ〜\(^o^)/」、元ネタは 「グルカが来るぞ」
この 「◯◯が来るぞ〜」 の 元ネタ ですが、「グルカが来るぞ」 というエピソードと、それを紹介した様々な 書き込み や コピペ の文章から生じています。 似た表現はそれ以前にもありましたが (例えば三国志・曹魏の武将、勇猛果敢で知られた張遼の 「遼来遼来」(張遼が来るぞ) など)、ひとかたまりのフレーズ、成句として広まり定着したのは、これらが発端でしょう。
グルカ (Gurkha) とは山岳・白兵・ゲリラ戦に長け、勇猛果敢で敵から鬼神のごとく恐れられた戦闘集団 「グルカ兵」(ゴルカ兵) のことです。 ネパールの山岳民族からなるイギリス軍の傭兵旅団で、戦争の際にこのグルカ兵旅団が 「グルカが来るぞ」 と歌いながら進軍すると、敵兵が恐怖のあまり戦意を喪失させ戦わずして総崩れ、そのまま逃げ出したと伝わります。
昔のヨーロッパの戦争は、マーチ (行進曲) を軍楽隊が奏でながら兵士が隊列を組んで前進、立ったまま互いに銃を撃ちあった後に優勢な方が突撃して斬り合うような集団戦スタイルでした。 戦の前半で隊列の一角が崩れるとまともな指揮が行えず、全軍が崩壊する危機を招きます。 こうした伝説じみた逸話がどの程度まで事実なのかはともかく、恐ろしい集団がやってくるとの比喩に、「◯◯が来るぞ〜」 はぴったりだったのでしょう。 イギリス軍の中では、「死を恐れないと言う者は、嘘つきかグルカかのどちらかだ」 とまで称賛されています。
ちなみにごく近いところでは、1982年3月のフォークランド紛争の際にも、対峙したアルゼンチン軍に向かい先遣隊としてグルカ旅団が出兵。 情報を察知したアルゼンチン軍兵士は慌てふためき、遭遇前に我先にと逃げ出したとの逸話もあります。 さらに余談を重ねると、そんなグルカ兵が恐怖を感じた敵に、補給が途切れ飢餓状態にあった旧日本軍兵士の銃剣や日本刀を携えた玉砕突撃があったとも云われています。
なお 「来る、きっと来る」 の場合は、呪い のビデオや貞子がネタとしても大きな話題となったホラー映画、「リング」(1998年1月31日公開) の主題歌、HIIH の 「feels like “HEAVEN”」 における歌詞からとなります。 また 「親戚が来るぞ〜」 の場合は、引きこもり にとって平穏な日常を脅かし恐怖の瞬間となる、長期休暇中の自宅への親戚の来訪を指します。
グルカ兵のヒーロー登場? リアルでもやっぱり強かった
グルカ兵のヒーロー登場? 「Lone Nepali Soldier Defends Potential Rape Victim Against 40 Men」(Logic-Cool News) |
35歳のグルカ兵ネパール人 ヴィシュヌ=シュレスタさん (Bishnu Shrestha) が乗る列車に、銃やナイフで武装した40人もの屈強な強盗団が襲撃。 これをたった一人で撃退し栄誉を讃えられているとのニュースが2011年1月28日、インドでありました。
この事件では、強盗団が乗客らから金品を強奪したり、殴る蹴るの暴行を働いていました。 その後彼らは乗り合わせた18歳の少女を取り囲み、その少女の両親や幼い妹の目の前で無理やり服を脱がせ、あろうことか集団で乱暴しようとします。
するとこのヴィシュヌ=シュレスタさん、姉 のために泣き叫び助けを求める妹の声に我慢も限度だと、やおらグルカの象徴である護身用のククリナイフを1本取り出すと、そのまま果敢に強盗団に飛びかかります。
そこから激しい乱闘になりますが、瞬く間に強盗団40人のうち3人が死亡、8人が負傷し、残りの29人は恐怖のあまり散り散りになって逃亡。 孤軍奮闘したヴィシュヌ=シュレスタさんは左腕にかすり傷を負っただけで列車の乗客と少女を守ることに成功し、英雄として報じられたのでした。
アフガニスタンやイラクに従軍した歴戦の強者
報道によるとこのヴィシュヌ=シュレスタさん、アフガニスタンやイラクに従軍した歴戦の強者だそうで、その後インドの共和国記念日 (1月26日) には、3つの勲章やメダルを授与され栄誉を讃えられます。 このニュースが海外のニュース紹介サイトを経由して日本でも報じられると、「やはりグルカ最強伝説は本当だった」「まさにグルカ 無双」「これぞ リアルチート」「漢だ」「やっぱ職業はコックか?」 と話題に。
男性ならば子供の頃、悪漢どもから片思いのあの子を守るという 邪気眼・中二病 的な 妄想 を巡らせるものですが、それをリアルで平然とやってのける最強グルカ兵の姿には、感嘆するしかなかったようです。