設定を共有したり売り込みや宣伝に使ったり 「設定画」
「設定画」 あるいは 「設定図」 とは、主に アニメ や ゲーム の キャラクター やメカ、アイテム やガジェット、背景やその他の視覚的デザインを、第三者にも分かりやすく一枚の 絵 にまとめた 画像 や資料のことです。 キャラ設定やキャラ表と呼ぶこともあります。 単に絵だけでなく、簡単な説明や注釈的な文章がつく場合もあります。
大勢のスタッフによる共同作業がベースとなるアニメ制作においては非常に重要な役割を果たすもので、おおむねアニメ制作の初期段階で作成され、制作現場においては キャラデザ (キャラクターデザイン) されたキャラの特徴や仕様を明確に示し、制作チーム全員がそのキャラの 設定 を 共有 する基盤、仕様書や設計図に似た役割を担います。 一方、アニメ制作がまだ決まってない段階で企画書の一部として制作し、テレビ局やスポンサーに売り込んだり制作スタッフを募る際の説明用の資料とすることもあります。
制作することがある程度固まった段階では、アニメやゲームの プロモーション などにもキービジュアルとともにしばしば用いられ、とくにアニメ雑誌などでは放映に先だって設定画が公開されることもあります。 キャラデザを担った作画監督らのインタビューでデザインプロセスが語られたり、どんな 作品 になるのか、登場するキャラはどんなキャラなのか、声を当てる声優は誰なのかなどを先行情報として発表し盛り上げる効果を担うこともあります。
設定画それ自体がアートとして評価されることもあります。 ファン の中には設定画の美しさや ディテール の詳細な作り込みに魅了される人も多いでしょう。 とくにキャラだけでなく作品世界の様々なビジュアル的な設定や 世界観 を表す設定画は意外な発見などもあり、「設定集」「資料集」 のような形でファン向けに出版されることもあります。
1枚で概要が掴める設定画は便利なもの
アニメキャラなどの設定画はおおむね モノクロ か何色かの線画状態で作成され、色 などは色指定で示す場合が多いのですが、外部発表用に彩色が施されているケースもあります。 原則1キャラの設定が1枚にまとめられ、正面から見た 立ち絵 と、それを含めた正面・背面・側面の 三面図、及び顔のアップやバストアップで、喜怒哀楽などの表情が3〜6点ほどついているケースが多いでしょう。 立ち絵の場合、影になって見えなくなる部分などが生じないよう、棒立ち状態で手を広げたもの (自然な形で両手を斜め下に伸ばしたAポーズ、両手を横に伸ばしたTポーズ、片手を下にしてもう片方の手を横にしたり上に上げるよう片手上げとか逆L字ポーズ) がよく選ばれます (下図)。
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設定画によくあるキャラクターのポーズ (Aポーズ・Tポーズ・片手上げ・逆L字ポーズ/ 寐津菟かき子) |
棒立ち状態では逆に見えない部分とか、表面から見えない奥行きや入り組んだ内面部分は 透視図 や 断面図 を用いて描く場合もあります。 また重ね着した服の上着以外の部分のディテールとか左右で形が違う アシメ髪、メカクレ (髪の毛 などで目が隠れているキャラ、目隠れ) の隠れた目がどうなっているか、身体を動かしたときに服にどんなシワがよるかをちょっとしたポーズ付きの部分絵として添える場合もあります。 顔の表情のつけ方など一般に 差分 扱いされる部分や、顔の描き方などで、いわゆる 立体的に描くか平面的に描くか といった部分もここで明確化します。
複数のキャラが登場する場合、あるいはキャラと一緒に画面に描かれるメカやアイテムなどは、それぞれの身長や大きさの比較として並んだ状態の 一枚絵 が別途描かれることもあります。 これらは 集合絵 やキャラ一覧 (広義のキャラ表) と呼ぶこともあります。 ただしキャラ表は1キャラのみやキャラ設定の意味でも使われますので、必ずしも同じ意味ではありません。
同人のオリキャラでもしばしば描かれたり公開される設定画
一般に 商業 の世界でよく見る設定画ですが、同人 や 趣味 の 絵描き の世界でも オリキャラ の設定図として描かれたり三面図が作られたり、それを 同人誌 の後書き的な扱いで掲載することもあります。 マンガ などは個人で制作することが多いため、わざわざ描かれることは少なかったりもしますが、キャラのデザインをする上でラフや下書きは何度も作成しますから、決定稿になったものにペン入れをして設定画として完成させるわけですね。
人に見せるつもりはない場合でも、オリキャラの設定図を好んで描くケースもあります。 ありがちなのは小学校から中学生くらいまでの頃の、中二病 まるだしの趣味の設定画や三面図などでしょう。 これらは創作ノートなどと呼ばれたりもしますが、後に殺傷能力の強い 黒歴史 になったりもします。
いずれにせよキャラ紹介のあれこれを雑誌風に行うなどは、オリジナル な作品を描く 作者 にとっては楽しいものですし、それを手に取る 読者 も興味深くありがたいものかも知れません。 また純粋に作品創りのプロセスとしても、頭の中に漠然とあるイメージを紙に描き出すことで明確化したりあやふやだった部分がはっきりしたり、その後の創作の過程でキャラがブレてしまうことを避ける効果もあるでしょう。
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